2012-01-01から1年間の記事一覧

日本人が迷う日本語

外国人に日本語をおしえていて、ハタと悩むときがある。 先日、テキストに「男の子」と「女の子」ということばが出てきた。もちろん一般的には「子ども」をさすことばだが、大人に対しても広く使われているので、おそらく、学習者が日本語に接する機会が多く…

半世紀という時間

ビートルズがデビューして50周年らしい。 中学生のころ、僕たちが『サムシング』を口ずさみ『カム・トゥゲザー』でシュッシュッしながら『ヘイ・ジュード』で踊り狂っているうちに、『レット・イット・ビー』で彼らは解散してしまった。 あのころの日曜日と…

竹田城で登山

いつどこで目にしたのか忘れてしまっていた。それが、映画『あなたへ』を観たときに、記憶のその部分にパッと光が当たった。 それは、雲海に浮かぶ孤島のような城の廃墟。かつて見たのは、じつにふしぎな、絵のような写真だった。そこは兵庫県朝来市竹田に残…

日々溜まるガス

ときどき思うのである。こう次々といろいろな問題が起きている我が国にあって、こんなところででてろてろと身の回りの小事を書きつらねていていいものか、と。ーー内心忸怩たる思いなのでありますよ。 とはいえ、天下国家を論じる技量も、弱きを助けるアンパ…

ガスにはがんばってもらいたい

去年、電気炊飯器を買い換えた。あのときも、家電量販店をまわって唖然とした。たかが炊飯器に7万、8万ですよ。 なかでも10万円に手が届く製品が、一段高く鎮座していた。高い製品ほどご飯がおいしく炊ける、と店員は豪語した。はっきりいって、勝負は「釜」…

おかしい日本の物づくり

別れは突然やってきた。はたらきものの彼(または彼女)は、バチンと音をたて、火花を散らして果てた。 思えば、出会ってからやがて30年。あいつは黙々と熱を発し、ひらすらシワをのばす仕事をしてきた。まあ、休みの日のほうが多かったかもしれないがーー。…

ショッピングの楽しみと悩み

アマゾンから荷物が届くたびに、家人が眉をひそめる。検査されることはないが、けっして好意的な態度ではない。 なにもやましいものを密かに購入しているわけではないので、その態度をいくぶん不満に思っているが、中身はたいていCDかDVD、電子機器の周辺小…

ほしい、ニューディール政策

同じ業界のフリーランスの友人と久しぶりに会った。どうやら二人ともしけた顔をしていたらしく、同時に出たことばは「景気悪いね〜」だった。 それはいくぶん社交辞令に近く、これからも景気が回復しないことはお互い承知している。今のこの状態がスタンダー…

我が家にも領土問題

つい最近、となりの家の灌木の枝が、我が家との境界を越えて領空侵犯しているのを発見した。そこはせまい通路になっていて、LPガスのタンクを交換する業者が通るので、枝は少しじゃまなのである。 ここはきっちり、毅然とした態度を示すべきだと思い、連れ合…

運動会今昔

運動会のシーズンである。 僕は、とくに運動オンチではなかったが、小中学校のころは運動会がめんどうくさかった。執拗な繰りかえし練習がきらいだったし、何より動作を統一させられるのがいやだった。 ときどき、何が気にくわないのか、何回もダメだしさせ…

マニュアル語のめんどうくささ

コンビニとはあまりかかわりのない人生を送っていたつもりだったが、自営の事務所のコピー機を処分してからはずいぶんと足を運ぶようになった。 でも後悔はしていない。なにせ使用料よりリース料のほうが高くついていたから、賢明な選択だったと自負している…

発作的振り返り

だれに頼まれたわけでもないのに、けっこう頻繁にこのヨタ文を書いている。賞賛や報酬、あるいは攻撃があるわけでもなし、よくつづいているものだ、と自分でも思う。 なにが原動力になっているのか。よくよく考えてみてもよくわからない。始めてしまったかぎ…

『あなたへ』をあなたへ

オバサン、オッサンばかりかと思ったら、そうでもなかった。ーーなるほど、水曜日は女性割引デーなのか。そのせいか、若い女性の姿もちらほら。 映画館のことである。しかし、あらゆるところで何かと女性が優遇されてはいまいか? 気のせいか? ……まあいいか…

山のあれこれ

この夏はひとつ、久しぶりに山小屋を利用して2〜3泊歩いてくるか、とひそかにたくらんでいたのだが、準備運動のつもりで日帰り山行を繰りかえしていたら、いつのまにかスズムシやコオロギが鳴く季節になってしまった。 と、ふと計画の狂いに気がついたのは、…

自発的無償行為者とは?

僕は外国人に日本語をおしえている。いわゆるボランティアである。ほんとうは、仕事としてちゃんとやりたいのだが、残念ながら北陸ではまったく就職先がない。 また中国にでも行けば? といわれそうだが、お家の事情もあるからそうもいかない。 私塾のように…

ワリ食う人々

「失われた10年」が、いつのまにか「失われた20年」といわれるようになってしまった。これは、バブル崩壊後の日本経済の低迷期をあらわす表現である。 元々バブルは作り出された幻のようなものだし、それ以前の高度成長期にしても、なにも日本のしっかりした…

「英雄」とは誰のことか?

最近「英雄」が気になるのである。 もちろん「ひでお」ではなくて「えいゆう」のほうだ。「ひでお」くんは今回どうでもいいのである。 日本では、日常的にこの「英雄(えいゆう)」という単語に出くわすことはほとんどないであろう。意味は知っていても使え…

カネモウケが第一

「資本主義経済は結局のところ、生命を軽視してしまうものだ」と、先日聴講した大学の先生はいった。 うすうすそう思ってはいたが、あらためてことばにして聞かされると、やっぱりな、と思ってしまう。 卑近な例では、東電の原発事故である。広範囲な生命を…

新幹線と東京

用事があって東京へ行ってきた。 お盆休みの後半チームが動いているのか、家族連れやグループの姿をずいぶん見かけた。行き帰りの電車もかなりの混雑だった。 しかし、どうして新幹線の座席ってあんなに座り心地が悪いのだろうか。とくに在来線の特急から乗…

戦後人間の歴史の勉強

今日はいわゆる「終戦記念日」。その年に生まれた子どもは、もう67歳である。 これだけの時間が経過してもまだ、戦争中に起こったできごとがすべて明らかにされているわけではない。今なお新しい事実が調査され、徐々に公にされてきている。 「トレイシー」…

命名はむずかしい

アルバート、ベリル、クリス、デビー、アーネスト……。もちろん英語圏の人の名前だが、じつは今年の大西洋北部のハリケーン命名リストである。 ずっと以前は女性の名前だけだったらしいが、男女同権の世の中、当然のように今では男女交互になっているようであ…

勇気はもらうものか?

どうやら「なでしこ」は最後の運に見放されたようだ。アメリカは強い相手だが、場合によっては勝てたかもしれない試合内容だった。 とにかくメダルは「銀」でも、まさに日本のサッカー界の「金」字塔である。最後まであきらめない粘り強さは、ほんとうにすば…

オリンピックの一喜一憂

連夜のサッカー観戦でやや寝不足である。 「なでしこ」の決勝進出は見事というほかはない。終盤のフランスの猛攻は、ほんとうに心臓に悪かった。過呼吸になるかと思った。女子の粘り強さには、あらためて感心する。 ところが男子のほうは、精彩を欠いていた…

ビール党の矜持

ビールを買いに行くと、最近では発泡酒や第3のビールの種類があまりに多くて、またそれらがあたかもビールのような顔をして並んでいるので、うっかり手を出してしまうことがある。 相対的にビールの占めるシェアが落ちているので、ビールもなんだか肩身がせ…

夏休みの注意事項

炎天下に駐車してあったクルマに乗るのはいやなものだ。エンジンをかけ、エアコンを全開にしてもなかなか冷えないからだ。 僕のクルマは排気量が小さい(1300cc)ので、車内が快適になるまで多少時間がかかる。それまで待てないので、たいていはすぐに発進し…

薬品と生活

今日はアメリカシロヒトリ(アメシロ)の消毒があった。この炎天下、町内を巡回消毒してまわった町内会の雄志の方々には、ごくろうさまといいたい。 この北米産の蛾はときどき集団発生して、その幼虫はバラ科やブナ科、カエデ科などの木々を丸裸にしてしまう…

道具を使う

いやはや今日も「Dog-day」である。猛暑。犬も舌を出してバテるような日のことらしい。こう暑いと、山へほうへキャンプにでも行きたい。 子どもが小さいころはよく出かけたものだが、いつのまにか遠ざかってしまった。テントをかついでの山岳キャンプも久し…

イチローと大リーグ

ヤンキースのユニフォームを着たイチローにはびっくりした。今シーズンは成績が低迷していたし、契約最後の年だったから何かあるな、とは思っていたのだが。 それにしても一旦まとまると事がスムーズだ。というか、大リーグのドラスチックな運営を垣間見た思…

黄門様の関係者

フィットネスジムで自転車をこぎながらテレビのチャンネルを回していたら、『水戸黄門』をやっていた。 “ご一行の旅” は最近終了したのでもちろん再放送だが、主役の黄門様を見ると、比較的新しいシリーズのようである。 父親や祖父がよく見ていたが、僕のな…

そんなに冷やすのもいかがか

盛夏だからしょうがないとは思うが、ついつい「暑いね」というあいさつをしてしまう。ときには天候を呪うことばを、ひとりブツブツとつぶやいてしまう。 我が家は集落の端にあり、北と東方面は田畑である。夜になれば水田をわたる風が涼しさをはこんでくるの…