夏休みの注意事項

 炎天下に駐車してあったクルマに乗るのはいやなものだ。エンジンをかけ、エアコンを全開にしてもなかなか冷えないからだ。
 僕のクルマは排気量が小さい(1300cc)ので、車内が快適になるまで多少時間がかかる。それまで待てないので、たいていはすぐに発進してしまう。当然しばらくサウナ状態である。
 疲れているときなどは意識がもうろうとして、思考停止状態になりかける。判断力だけは、起きている細胞を総動員して機能させているが、真夏のクルマの運転には気力と体力がいる。
 ほんとうは根性も必要だ、といわれるかもしれないが、身辺をさがしても見あたらないので気力でカバーすることにしている。
 この時期は学校が夏休みだから、クルマを転がしていても、絶えず少年少女たちに注意しなければいけない。神出鬼没なチャリには、ときどきヒヤリとさせられるからだ。
 道路を横断しようとしている小坊などは、クルマがよくよく近づいた時点で、よくもまあそこで飛び出す判断を下せるなぁ、というようなタイミングで走り出す。そんなネコのようなやつもいる。
 今日などは、両側水田の見通しのいい道路で、道路脇の少し低い位置を流れる用水から、少年が突然姿をあらわし道路に駆け上がってきた。とっさにブレーキを踏んだ。
 まだ十分距離があったからよかったものの、この時期は、運転時の注意モードを「夏休み」にセットしておかないといけない。
 しかしじつは、一年を通じて危ないのはご老人である。僕もそちらに近くなってきたので、お気持ちもわからないではないが、どうもマイペースな方が多いようである。立場がドライバーになっても同じである。
 こうクソ暑いと、オーディオのBass音が外までひびく若者のクルマもうっとうしい。
 若者ではないが、僕のクルマもけっこう外まで聞こえるらしい。なにせドアを閉めるときの音が、「パコン」だからね。(;_;)
(photo:近くで見つけたケイトウの栽培地)