2011-02-01から1ヶ月間の記事一覧

中国的珈琲

ときどき無性にコーヒーが飲みたくなる。街に出れば飲めるところはないではないが、まあ大概はおいしくない。 だいたいお茶どころの福建省で、コーヒーが飲みたいなどと思うのは邪道なのだろう。思うぐらいはいいのかもしれないが、うまいコーヒーを求めても…

じつに例外が多い

「大地震」は「だいじしん」か「おおじしん」か? 正しくは「だいじしん」である。「地震」が音読みだから、当然そうなるはずだ。ところが、「おおじしん」もふつうに使われて、広く普及している。湯桶(ゆとう)読みである。 同じようなものに「大掃除」が…

漢字は忘れるものである

きっとワープロやパソコンを使ってからだと思う。漢字を忘れたのは。黒板に字を書いていても、ふとつまることがある。 「ひらがな、って便利だなぁ」といいつつ、代用したりしているが、当然学生の失笑を買う。そして、一段階評価が下がる。まあいいさ、忘れ…

始まれば、終わる

よく、「終わりの始まり」などという言い回しを聞くことがある。なんだか迷路に入ったような言い方だが、確かにだれもがその連続で毎日生きている。 旅は、出かける前がいちばん楽しいといわれる。期待に胸ふくらむ、っていうやつだろう。ところが、始まって…

Intermission

入国時のあっけなさに比べると、出国時の物々しさには多少うんざりする。ネパールのことである。 深夜に発着する便が集中するせいか、カトマンズ国際空港は夜になって活気づく。 ネパール、といえばヒマラヤだが、何度も足を運んでいるわりには、最近は山の…

コカナという村

遠距離恋愛の恋人と久しぶり会ったらずいぶん変わっていた。質素な身なりだった昔にくらべると、ずいぶん派手になったし、化粧も濃くなった。地道な性格だったはずなのに、いつのまにか金回りがよくなり、生活も荒れているように見える。 さしずめそんなとこ…

カトマンズで Bryan Adams

町のいたるところで目につくブライアン・アダムス。なんだか少し奇異な気もする。それは、ステレオタイプ的な偏見かもしれない。つまり、インド系の大仰なミュージシャンのポスターならしっくりくる。 19日にカトマンズで大きなコンサートがあるらしい。ロッ…

バクタプルのヨーグルト

カトマンズに隣接したすぐ南に、パタン市という古都がある。そのパタン市在住のSさんがいう。 「政治家は政争に明け暮れているし、庶民は政治よりもお金を得ることに一生懸命です」、と。それを聞くと、国の状況は違えども、なんだかどこかの国とオーバーラ…

もやのなかの世俗

初めてネパールへ来たのは、確か1980年の暮れだった。玄関口は、これが一国の国際空港か、と思わせるような粗末なものだった。 外へ出ると、あっという間に浮浪者や物乞いに取り囲まれて、身動きできなくなった。それがこの国との最初の出会いだった。 今で…

蘇る町の匂い

香港発ドラゴン航空KA192便の機内で、ネパールの入国カードをくれといったら、空港にあるといわれた。 多少の違和感を感じながら、便はダッカ(バングラデシュ)を経由して、深夜のカトマンズ・トリブヴァン空港に降り立った。 到着ロビーに入ると、円形の小…

ちょっとネパールへ

上海に来ている。昨日は、ホテルでまたネットが繋がらなかった。もっとも、疲れてホテルに着くなりずっと寝ていたので、そのせいでブログがアップできなかったのだが。 今、上海浦東空港でこれを書いている。今日は香港で乗り換えて、カトマンズ(ネパール)…

本屋へ通う人

じつは本屋が好きである。「じつは」というほどのことではないか。まあ、ふつうに本屋が好きである。人より少しそこへ通う頻度が高いだけなのだ。 それで、日本へ帰ってから何度も足を運んで、たくさん本を買い込んだ。最近では、出かけても本屋の近くを通ら…

隣人の問題

中国にいると大変だろう、と、ときどきいわれる。いわゆる日中問題を背景にした見方である。 あの尖閣問題がかまびすしい時期だったころでさえ、あちらで僕はいつもどおりの毎日を送っていた。単に鈍感なだけだったのかもしれないが、少なくとも、接する町の…

東京あれこれ

一応長男なので、帰国してからはけっこう忙しい毎日をおくっている。 田畑関係の書類のチェックや確定申告の準備、味噌の仕込み、妻子の車の点検、たまった郵便物のチェック、飲み会、お袋のグチを聞く、雪かき……などなどとりあえず雑事をこなしてきたが、よ…

足放せない靴

自分が気に入っている道具を手入れするのは、ひとつの幸せではないか、と思っている。 ときどき靴を手入れする。靴はいつだって主人の臭い足に踏まれながら、その足を守っている。健気ではないか。たまには、やさしいことばのひとつももかけなければなるまい…