2012-05-01から1ヶ月間の記事一覧

「親友」再考

札幌に住む同年代の知人は、去年ひとりの友人を亡くした。そして、亡くしてからあらためて、自分の大切な友人だったことに気がついたらしい。 彼は亡くした友のことを、親友だったかもしれない、といった。それをきっかけに「親友」というものについて考えは…

小樽で観光地について

たとえば、電車に乗って車窓からながめる風景は、全国どこへ行ってもだいたい同じように見える。とくに都市部はそうである。 鉄道が民営化されJRになってよかった点は、会社ごとに特徴が出てきたことである。車両やサービスが多様化して、利用者の楽しみがふ…

ライラックの香りと街の香り

いろいろな作家のエッセイなどを読んでいると、旅先やその移動中に原稿を書いたりするシーンが登場する。それはずいぶんカッコイイなと、自分には関係ないながらも、そう思っていた。 今札幌にいる。じつは昨日の昼、ホテルに着いてからパソコンを開いて夕方…

見張り塔に登る

山へ行きたいと思いながら、いつのまにかずいぶん遠くはなれてしまった。あわてることもないのだが、少しブランクができてしまったので、とりあえず山適応力の劣化が心配である。 若いころはとにかく頂上に立つことが目的だった。僕のような渡世術では、とて…

ネットは便利だけどさ…

アマゾンは便利なのでついつい利用してしまう。でも、本はほとんど買わない。本は本屋で、手にとって買うにかぎる。通販では、本を買う楽しみがないからである。 でも、地方の本屋では手に入らない本はしょうがない。通販を利用する。本屋で注文したところで…

働くということ

依頼された数少ない仕事が進展せず、このごろは滞っている。そのせいか、脳の血液も滞っていて、ビールと飯と漫画にしか反応しなくなってきた。 原因は、原稿になるデータのやり取りにある。客からの原稿を待っていて、しびれをきらせて問い合わせすると、先…

プロコフィエフが残したもの

子のために美田を残しても、たいていロクなことにはならない。得てして子は、親の想いよりもその実利に感謝しがちだ。だから、道をまちがえてしまうのだろう。 子を想わない親はいないだろう。 たとえば、ロシアの作曲家プロコフィエフは、我が子のために『…

人類の命題と向かう

僕たちは、未来を予測できないが、過去に学び未来にそなえることはできる。しかし、何の前触れもなく突然やってくる未来もある。 ある晴れた(晴れると予想される)日に山へ行く予定を立てた。それで、前日は全国的な休日だったが仕事をした。朝からパソコン…

世界の指導者、男と女

中国で生活していたときは、だいたい政治と宗教の話題はタブーだった。学生相手の授業でも注意していた。 そうはいっても、ときどきは政治方面の話しになることもあった。もちろん国情や政策のことではなく、たいがいは国のトップや指導者の話題程度だったが…

華麗なる攻防

先日、冬物の整理をした。ダウンジャケットをしまおうと思ったら、なんだか臭いがした。原因は自分臭である。ほとんど洗うことがないダウンジャケットには、当然体臭が染みこんでいるのである。 ちょっと臭いと思った。もしかして、加齢臭も入っているかもし…

こどもの日の、とくべつな夜

内灘町というところがある。我が町からはちょっと遠く、車で30分ぐらいかかるのだが、用事があってときどき足を運ぶ。 五木寛之の小説『内灘夫人』の、あの内灘である。でも、僕の用事は色っぽい話しではまったくない。 町には鳥取砂丘に次ぐ規模の砂丘があ…

モヤモヤの事情

分類すれば、まちがいなくスポーツマンタイプではない方に入ってしまうだろうな、とときどき思う。 小さいころから、とりわけ熱中したスポーツがあったわけではないし、運動神経も並以上のものではなかった。 なにせ基盤となる中学校時代からすでに、体育会…

カエルが鳴くころ

サラリーマンを辞めて自営業になってからは、ゴールデンウィーク(GW)などの国民的連休にとくべつな感慨はなくなってしまった。 とはいえ、勤め人だった連れ合いや子どもたちが休みだったので、家族としてのGWはやはり世間に準じていた。 そして、長年我が…