人類の命題と向かう
僕たちは、未来を予測できないが、過去に学び未来にそなえることはできる。しかし、何の前触れもなく突然やってくる未来もある。
ある晴れた(晴れると予想される)日に山へ行く予定を立てた。それで、前日は全国的な休日だったが仕事をした。朝からパソコンに向かって昼すぎまで、最近ではめずらしいほどの集中力で作業した。
仕事のメドがついて立ちあがり、パソコンからはなれようとしたときに、腰の違和感を感じた。
ずっと座りつづけてきたその疲労だろう、と思っていたら、時間の経過とともに痛みが増してきた。腰全体ではなく、ある姿勢になると特定の部分にピリッとした痛みが走る。
あろうことか、夕方フィットネスジムへ行った。医者へ行くべきだったのかもしれないが、休日だったので、くぐるべき門をまちがえてしまった。
おろかな行為であった。帰宅後は歩行にも支障をきたしてきた。直立歩行の人類としてのアイデンティティを捨ててしまおうか、とさえ考えた。しかし、周囲にあたえる影響や印象を思うと実行にうつすことはできなかった。
早めに就寝しようとした。激痛に耐えながら身体を横たえたが、そのまま二度と立ち上がることができなくなるのではないか、という恐怖が脳裏をよぎった。
体勢が同じなので、しばらくすると身体がきしみ出した。逡巡のすえ決意を固め、気合いとともに実行にうつす。一仕事終えたような充実感があった。しかし、それもつかのまだった。
当然翌日は、山どころではなく家でうなっていたが、日を追うごとに痛みのうなりからつぶやきに変わっていった。
医者の敷居は高かった。ていうか、腰まわりが弱点なのである。こういう場で、自分の弱点を発表するというのもまずいのだが、どうも腰、そのあたりは感じるのである。医者へ行って、うひゃひゃひゃひゃ、などと奇声をあげれば人格を疑われかねない。
そういう事情もあって自力更生を通したわけだが、気合いのかいもあって、このごろは90%の回復である。なんとか醜態をさらさずに済んだのである。
前触れはなかったのかと、過去を振りかえってみた。疲れがたまっていたかもしれない。風邪気味だったこともある。しかし、それが腰にきたのかはわからない。
――さて、防災グッズを準備しておかないといけないな。(;O;)
(photo:香港SKY100より)