恵方巻きの疑問

 立春を過ぎたのに、この雪と寒さだ。しかし、立春とはいえ「暦の上」の話しだから、寒さはまだまだつづく。
 先週は、スーパーやコンビニに行くと「恵方巻き」が並んでいた。節分に恵方巻きを食べるのが風習になりつつあるが、元々石川県地方にはなかった文化だ。
 大阪あたりが発祥とされているが、ほんとうのところはどうなのかよくわからない。商売人たちの策略で、全国的な風習に仕立て上げられた感がある。
 それはまんまと成功したようだ。しかし、ぼくが不思議に思うのは、そういう自文化になかった風習を軽々受け入れる人たちのことである。
 あまり深く考えていないのだろうが、守るべき自文化のことも、おそらく深く考えていないのだろう。
 振り返ってみれば、明治以降欧米文化を取り入れて以来、とくに戦後はライフスタイルの欧米化とともに日本人は自国の文化を軽視し、場合によっては捨て去ってきた。
 どうも日本人は、アイデンティティの根幹がグラグラしているように感じてならない。
 ずいぶん前からクリスマスには閉口しているが、最近ではハロウィンまで台頭し出し、無自覚に他文化を取り入れる。
 しかし、欧米偏重、欧米コンプレックスのきらいがあるので、宗教関連ならたまには仏教やイスラムの風習も取り入れてもいいではないか。
 まあ、イスラムはともかく、仏教界はちょっとだらしがないのではないかと思う。
 たとえば、釈迦の生誕を祝うイベントなどいかがですか。打倒!クリスマスだ。おもしろいと思うけどね。
 日本のあちこちを旅行しても街の風景が同じに見える。その土地の文化を感じる所をさがすのに苦労する。どこへ行っても同じなのである。どこへ行っても恵方巻き。
 あまり深く考えないと、いつかツケが回ってくる。現政権も、そのツケのひとつだ。(/_;)