2010-09-01から1ヶ月間の記事一覧

ドラマはいつも裏通りに

そういえば、あの人は今どうしているのだろう? と、思ったりすることがある。 「気配り」の人といえば、ある年代以上にとってはちょっと懐かしい。気配りは空前のブームになったけれど、ことばは死語となった。今は使うことさえ恥ずかしい。 たとえば、この…

漢字もちょっとちがう感じ

こう暑くっちゃビールでも飲まんとやっとれんわ。と思って、入った食堂でビールを頼む。期待にむね踊らせ待っていると、出されたビールが冷えてなかった。というケースはしばしば。 しかし、まだビールが置いてあればいいほう。ぶっきらぼうに「没有(メイヨ…

散歩の方法

外国人に日本語を教えるようになるまで、考えたこともなかったことを、日々考える。因果なところに首をつっこんだものである。 たとえば、若い人がよく使う「ちょっと教えてもらっていいですか」「見せてもらっていいですか」などの、この「〜てもらっていい…

あなたのことをけっして忘れない

尖閣問題が、少しきな臭くなってきた。 日本にいれば、ふ〜んまたかい、というところだが、こちらにいるとどうしても気になってしまう。つまり、あまりネガティブなニュースはありがたくない。 中国(中国人)にとって日本(日本人)は、他の外国(外国人)…

鳥泊めない歯無し

なくしたものを並べ立てると十指にあまるかもしれない。体力、記憶力、適応力、判断力、青春、我が子の感触、親父、ある種の自信、お気に入りのストラップ……。 けっして戻らないものも少なくない。ここの厳しい気候に耐えかねて、大陸の土と化していった我が…

テキトーと適当

「加油!」は北京オリンピック以来、日本でも知られるようになった。ジャァヨウ! がんばって! がんばることは、日本人は大好きだ。いつもがんばらなくてはいけない。がんばってください、は挨拶がわりだ。いわれてときどき思う。何をがんばればいいのか、…

タイトルの話

これでもけっこう悩んでいるのである。毎回のこの記事のタイトルに。 絵画展や写真展などを見にいくと、ついつい気になってしまうのもタイトルである。ひねりがきいているタイトルをみつけると、思わずニヤリとさせられる。 ところが、ときどき作品の説明に…

犬はいぬ。狗はいる

道を歩いていると、中型の黒い精悍な犬が、僕のわきを急ぎ足で追いぬいていった。ダンナ、お急ぎですか……と声をかけたりはしないが、日常的に往来をけっこう犬が行き来している。 首輪をつけている犬もいるが、そうでない犬もかなり見かける。それらが人に交…

貴州をめぐる邂逅

貴陽という町を知ったのは、たしか5年ほど前だったろうか。ボランティアで日本語をおしえていた僕は、そこで貴陽出身の女性と会ったのだ。 彼女は、日本人と結婚して子どもも産まれ日本に住んでいたので、流ちょうな日本語を話した。雑談のあいまに彼女は、…

ボディブローと自重

アジアのいくつかの国を旅行してきた。ほとんど仕事のあいまの休日を利用しての旅だから、せいぜい長くて1週間から10日程度である。 そのぐらいなら、何か不測の事態がおこったところで、我が島国へ逃げ込めばいい。カトマンズで赤痢を発症し、ふらふらにな…

夏のお仕置き

調子にのるなよ、とおっしゃいましたか。 けっして調子にのっていたわけじゃないんですけど、たしかにあまりご機嫌うかがいもせずに、勝手にあちこち動きまわりました。ちょっと反省しています。 とりあえず、しばらくおとなしくします。どうせ仕事も忙しい…

フェチシストの不満

地図を見るとワクワクする。と、人にいうと怪訝な顔をされるか、あからさまに眉をひそめたりされる。 最近は、地図が好きな人間は少数民族だ、ということがわかってきたので、できるだけそのことをさとられないようにして生きている。迫害されても困るからな…

開店/本格営業

9日1日の記事について訂正をひとつ。 後半部分のエピソード。「H」は名詞でも使う。〈な形容詞〉(形容動詞)での使用のみをとっさに考え、学生への回答が正確ではなかった。 しかし、この訂正をどうやって学生に伝えようか迷っている。Hの名詞での使用例を…

CCTVについての一考察

ジョングォジョンヤンディエンシタイ。 野太いナレーターの声が番組の間にかならず流れる。国営放送、中国中央電視台(CCTV)である。 日本にいるときから、テレビはニュース番組ぐらいしか見ていなかったが、こちらでもジョングォジョンヤンディエンシタイ…

普通体でいこう

僕は学生には、できるだけ自然体で接したいと思っている。 学生は友だちには、できるだけ普通体で接してほしいと思っている。 「普通体」とは、日本語文法でいういわゆる “友だち言葉” のことである。「です/ます」調の「丁寧体」にたいして、親しい間柄での…