ほしい、ニューディール政策
同じ業界のフリーランスの友人と久しぶりに会った。どうやら二人ともしけた顔をしていたらしく、同時に出たことばは「景気悪いね〜」だった。
それはいくぶん社交辞令に近く、これからも景気が回復しないことはお互い承知している。今のこの状態がスタンダード、と考えていくしかないのであるがーー。
このまま朽ち果てていくのもさみしいので、我々のような一応プロの腕を持った者たちが集まってグループをつくり反転攻勢をかけようかと、なかば冗談のような話しになった。
それはおもしろいかも。と、一瞬ダイオードが発光しかかったが、そもそも我々に仕事がまわって来なくなった理由から分析する必要がありそうだ、ということになった。
理由はたちどころにあげることができた。
曰く、トシである。単価が高い。小回り(融通)がきかない。偏屈である。営業能力がない。体力がない。感覚が古い。ーーなどなど、ないものは数多くあれど、手元にあるものはあまり喜ばれないものばかりだった。
ようするに、使えなくなってきているのである。まあ、パラダイムの変化も大きいのかもしれないが、それ以前の問題のような気もする。
だから、一応プロであろうとも、そんな連中が集まっても烏合の衆以上のものにはならないだろう。だいたい、実力のある者はちゃんとバリバリやっているのである。
分析してみると、それが悲しい現実だった。仕事は完全にゼロになったわけではないが、ワリと短い半減期を持つ放射能のように、確実に限りなくゼロに近づいていく。
いや、たとえが悪かった。僕たちは殺人光線など出してはいない。
「じゃあまた。がんばろうね」といって別れたが、さびついた空っぽ頭には、何をがんばればいいのかわからなかった。(;_;)
(photo:雲南省麗江にて)