我が家にも領土問題

 つい最近、となりの家の灌木の枝が、我が家との境界を越えて領空侵犯しているのを発見した。そこはせまい通路になっていて、LPガスのタンクを交換する業者が通るので、枝は少しじゃまなのである。
 ここはきっちり、毅然とした態度を示すべきだと思い、連れ合いと相談して実力行使に出た。話し合いをすっ飛ばし、いきなりである。我々もやるときはやるのである。
 ーーなんて、けっこうきな臭い話しではあるが、じつはとなりの小さな家は空き家で、ときおり地主(家主)が見回りに来るだけなのである。
 尖閣問題がかまびすしい。中国では暴徒が出はじめている。日系のあらゆるものを敵視して実力行使に出ているようだ。
 まあ、ちょっとやりすぎである。あまり野放しにすると国際的にもイメージダウンである。
 政府は国民のガス抜きとして、ある程度容認しているフシもあるが、反日の背後には政府に対する不満があることも知っているので、それが前面に出てこないようにコントロールするだろう。
 中国にとって、尖閣問題はなかなかいいカードである。とくに今秋、指導部が交代する予定だから、反日という矛先があれば利用しやすい。
 それにしても幼稚なのは、日本の外交である。火に油をそそぎ落としどころを見誤り、ついにはかんたんに後もどりできないところまできた。
 領土問題でいがみ合っても、一般国民には何のメリットもない。日本にも一部ヒートアップしている人たちはいるが、今中国と争っても得るものがないのである。それこそ国益に反するのである。
 なにも、長いものに巻かれろ、という意味ではなく、うまく立ち回ってかわすテクニックが必要なのである。それが政治の役割であろう。
 もっとも迷惑し、被害をこうむるのは民間である。ほとんど無政府状態化している日本は、このままでは、国際社会からの支持どころか嘲笑されるのがオチだろう。
 となりの地主には、顔を合わせたときにでも事後報告しようと思っている。まさか報復措置に出るとは思わないがーー。(..;)
(photo:法恩寺山頂にて。勝山市