ショッピングの楽しみと悩み

 アマゾンから荷物が届くたびに、家人が眉をひそめる。検査されることはないが、けっして好意的な態度ではない。
 なにもやましいものを密かに購入しているわけではないので、その態度をいくぶん不満に思っているが、中身はたいていCDかDVD、電子機器の周辺小物、まれに本ぐらいである。本はやはり書店で手にとって買う主義なので、通販を利用するのは、もっぱら書店にない本に限られる。
 消費行動としての買い物というのは、一種のストレス解消である。
 たとえば、ふらりとカーディラーに寄って、ポンと300万円の外車を買う。ということができたら、ずいぶん気持ちいいのではないだろうか。ーー300万円の外車か……ちょっとスケールが小さいかもしれんなぁ。
 まあいい。買い物の対象は人によってちがうかもしれないが、欲しかったものが手に入る、というのはやはりストレス解消になろう。
 一般的に、男と女の買い物にたいする感覚はちがうと思う。人にもよるが、ふつう男は買いたいものやターゲットがあって店に入る。いわゆるウィンドウショッピングなんてたぶんしないと思う。
 たとえばときどき衣料品店に行く。当然目標がある。ヒマだからちょっと寄ってみるか、なんてことはしない。でも、あの手の店は苦手な分野である。できれば、さっさと決めて逃げ帰りたい。
 だいたいオッサンが安心して入れる店がない。ほとんどが若者向けの店舗である。気持ちはわかる。市場の問題だ。
 デパートの紳士服売り場。ビジネス関連かゴルフウエアが主体である。または、いかにもじじむさい、流行とは一線を画す品々。中高年向けのカジュアルブランドもあるが、どこか勘違いしている。だれが着るのだろうか。
 そんな売り場で商品に興味を持とうものなら、たちどころに店員がとんできて、聞きもしないのに商品の説明をし出す。
 いつぞやは、ジーンズ専門店でとてもしつこい店員につきまとわれて閉口した。よほど怪しいオッサンに見えたのだろうか。しつこい店員の店には2度と行かない。一度ぐらい逆に、しつこいぐらい質問してやろうか、とさえ思う。
 まあそんなわけで、服を買いに行くのは少しストレスがたまる。
 今日などはもう、半袖ではいくぶん肌寒い。そういえば、自分の秋から冬にかけての服がみんな古くなってきているのに気がついた。
 めんどうくさいが、ユニクロにでも行こうか。あそこなら店員の問題はない。でもべつの悩みがある。(^_^;
(photo:シェムリアップ、西メボンにて)