2013-01-01から1年間の記事一覧

北アルプス発見伝(1)

山小屋といえば、まずい飯、湿った布団、狭いスペース、行列のできる臭いトイレ……と、イメージダウンになりそうなことは、たちどころにそれぐらい上げられる。 しかし山小屋というのは、飛び込みでやって来る者を拒むことができず(拒めば生死にかかわる)、…

思い込みの穴

外国人とかかわる活動をしていると、どうしても街で見かける彼らが気になってしまう。 肌の色や顔の骨格のちがいは見分けがついてわかりやすいが、中国人や韓国人など、東アジアの人たちは話していることばを聞かなければ見分けがつかない。 鈍感な僕もこれ…

愛の力か?

バーのカウンターの隅でひとり酒を飲む。思索にふけり、グラスをぼんやりと見つめ、思い出したようにときどきフフとわらいほほをゆるめる。 男の哀愁がただよう、こういうシチュエーションに一時あこがれたこともあった。……ま、バッカじゃない? といわれそ…

月夜のコンサートにひたる

久しぶりにコンサートに行った。 デュエットで演奏するのは、まもなく中年にさしかかろうとするルーマニア人男性と、若い日本人女性である。……この組み合わせ、どんなメロディをイメージするだろうか? じつは、2人が手にしている楽器は「尺八」。師弟関係で…

7年後の思惑

心情的にはイスタンブールがよかった、と思っていたくちである。やはり、一度も開催したことがない国(地域)を優先させるべきだろう。 東京に水を差すつもりはないが、この前やったじゃないか、という思いがしないでもない。とにかく、一国の首相がウソまで…

忘れたことにする

こんなに早く涼しくなっていいのか、と思うくらい、ここ最近は過ごしやすい。何だか少しさみしく感じるのは、いかにも初秋の感傷である。 あれほど暑さに苦しんだはずなのに、あのハイテンションだった夏の天候を懐かしく思うのだから勝手なものだ。いくら気…

ストラップの行方

ガラケー、と呼ばれる携帯電話の肩身がせまくなってきた。 今やどこを向いても、人々はスマホを片手に、もう一方の手の指で画面をちょろちょろ操作している。電車の中などでみな一様に同じ動作をしているのをながめると、見事ではあるがある種不気味でさえあ…

気になるのです…よろしく

そういえば、「よろしくお願いします」がよくわからない。 いつだったか、日本語学習者から「どういう意味ですか?」と聞かれたことがある。むこうは初級者だったので、それは自己紹介のときの最後にいうことばだよ、とおしえた。とりあえず限定的に、そうお…

入籍は結婚なのか?

いつからこういうことばが流行しているのだろう、と思うことが、テレビを見ているとときどきある。インターネットでも見かける。 たとえば、ずいぶん前から気になっているのは、「入籍」ということばである。 タレントや有名人が、「本日入籍いたしました」…

残すことのいろいろな問題

『はだしのゲン』の主人公、ゲンの顔がまずもって怖かった。……などというとしかられるかもしれない。しかしそれは作者の画風だからしかたがないが、当時の少年漫画の主人公の容貌からは多少逸脱していたかもしれない。 それだけに余計際立ち、強い印象を残す…

息もたえだえ四阿山

単独行は久しぶりである。トシとともにあらゆる機能が低下してきているので、数年前からできるだけ複数で山へ行くようにしている。今回は一人なので、計画や準備にはいつも以上に注意をはらった。 さて、菅平牧場から根子岳を経て四阿山をまわるコースである…

ついでに山行

16日に、新潟市まで行かなければならない用事があった。せっかく出かけたのにとんぼ返りじゃもったいないと思って、その足で山へ行くことにした。 18日には家にいなくてはいけなので、手に入れた時間は1泊、17日夜までだった。 それで、16日中にさっさと山に…

8.15という日

今日は「終戦記念日」。 日本ではそう呼ばれている。中国では、今日は「日軍投降記念日」という。 敗戦国と戦勝国の関係だが、呼称上においてはちょっとかみ合わない気がする。日本にとっては「敗戦記念日」ともいうべき日なのだが、そういう直接的な表現で…

ヒロシマの誘惑

「最近どこか行きましたか?」 「え〜と、ヒロシマに行ってきました」 「え? 広島? どうでしたか?」 「はい、とてもインタレスティングでした。先生は行ったことがありますか?」 「あ、いや……じつはないんだよ」 僕が日本語をおしえているH大学院大学の…

炎天下のシロウト仕事

「草刈りをお願いしたいんですが……」 「いいですが、一ヶ月ほど待ってもらうことになりますよ」 と、ごく平静に、シルバー人材センターの担当者がいった。 ーーやっぱりな。草が繁茂するシーズンだからしかたがない。 このあたりは水田地帯なので、農家は周…

うかれポンチな人々

ときどき無性に寿司が食べたくなる。にぎり寿司ではマグロも好きだが、トロを食べた記憶がない。たいていは赤身でがまんする。 ていうか、高価なトロをあえて食べたいとも思わない。たぶん権力者や富裕な方たちが食しているのだろうが、そういう層の人たちの…

新聞を読む楽しみ?

朝新聞を読むとき、左手でページをめくるクセがついているので、いつもテレビ番組欄から見てしまう。 つまり裏面から読んでいく、ということになるのだが、右利きなのでこれは少しおかしいのかもしれない。 クセというよりも、覚醒していないもやのかかった…

友はブータンから戻った

ネパールへはよく通ったものだ。はじめて行ったのは、もう30年以上前になる。あのときは、殴られたようなカルチャーショックを受けた。 その一方で、日本人の郷愁を誘うような風景や文化は、なんだか居心地もよかった。しかし、サラリーマンの休暇を利用して…

選挙とアメリカ

たぶんそうなるだろうな、と思ったらその通りになるところが、思うつぼというか日本国民の面目躍如だろう。 どうもみんな、やっぱりJ民党が好きなんだな。離れられないようだ。いわば、DVの加害者と被害者のような関係である。 まあ、仮にJ民党の過去の所業…

とりあえず投票

「行員矢の如し」……ん? ちょっとおかしいけど、我がパソコンはこっちらしい。 もちろん正しくは、「光陰矢の如し」ーー。あらためてこの使い古されたことばをながめると、なんと陳腐なことよ。「行員矢の如し」のほうがおもしろいよなぁ。 で、ブログの更新…

雨竜沼ワンデイ

雨竜沼へはレンタカーを借りて行くことにした。タクシー以外の交通機関がないので、これが一番いい方法だった。 札幌でナビに目的地を入力すると、登山口まで3時間と表示された。しかし、所要約120kmでこのタイムは、???である。しかも、そのうち80kmぐら…

雨竜沼

北海道の雨竜沼湿原へ行ってきた。「北海道の尾瀬」といわれているが、尾瀬とは明らかにちがう。 「◯◯の△△」といういい方は、比喩としてわかりやすいが、その意図するところは、本家△△に劣るけれど◯◯は△△っぽいでしょ、という意味である。 でも、これでは◯◯…

正しいことの扱いにくさ

人の意見を素直に聞き入れられないときがある。 たとえば、子どものころ親から「勉強しろ」といわれると、きまって反抗したものである。そろそろやろうかな、と思っていた矢先にいわれたりするとほんとうに、今風にいえば、ムカついたものだ。 かつて煙草を…

あらゆる故障に見舞われる

イライラはストレスのもとである。ストレスはイライラのもとである。 そうか、どっちともとれるなぁ。……と、感心している場合じゃなかった。最近は、その相乗効果? じゃないナ、負の連鎖かな? に見舞われている。 発端は、流し台の蛇口だった。うちのは、…

久しぶりの王家衛

恥ずかしい話しだが、若いころは典型的な「アメリカ志向」の男だった。アメリカ映画が大好きで、先住民(インディアン)が悪者にされる西部劇もずいぶん見た。 映画の話しですーー。 単純で空っぽだった僕の頭は、ヨーロッパ映画のような深いものを理解でき…

世界遺産を警戒する

富士山が世界遺産ねぇ〜。喜んでいる人たちに水を差すつもりはないけれど、僕はへそ曲がりだから、世界遺産っていったいなんだろうって、つい思ってしまう。 なんだか人類は、くだらないことをしているような気がするのである。このままでは、たとえばチェル…

土台とズリズリの問題

トシをとると朝早く目が覚める、という声をよく聞く。でも、若いころと同じように夜おそく寝て朝早く起きたんじゃ寝不足になるのではないか。 加齢とともに体力もなくなることだし、それじゃあ身が持たないハズだよなぁ……。と、常々疑問に思っている。やはり…

脳細胞流失のとき

忙しくても、忙しい、と口にしない人が「できる人」だ、といわれる。「できない人」はすぐさま、忙しい、などと周りに口走ってしまうらしい。 そういう人は、ほんとうに忙しいかどうか疑わしいものであり、忙しく見せるために、忙しい、と発したり、たんに怠…

ときには「労働」する

人間の環境への適応力というのはなかなかすごいと思う。なにしろ仕事がないと、すぐさまぐうたらな状態になってしまうのである。 いやいや、「人間」などと一般化してしまってはいけないのだった。「僕の場合」、に訂正しなければいけないですね。 どうやら…

恐るべし、DNA

たとえば咳をすると、その所作が自分の父親とそっくりだなと思うときがある。またあるときは、ご飯の食べ方が母親と似ている、と気づき苦笑することもある。 子どもの歩き方を見て、自分とそっくりだと思ったり、いろいろなことで悩んでいるその悩みのポイン…