7年後の思惑

 心情的にはイスタンブールがよかった、と思っていたくちである。やはり、一度も開催したことがない国(地域)を優先させるべきだろう。
 東京に水を差すつもりはないが、この前やったじゃないか、という思いがしないでもない。とにかく、一国の首相がウソまでついて取ってくる、というやり方はあまり感心できない。
 どうしても日本でやるなら、沖縄をメインにしてはどうだろう。いろいろな意味で。
 オリンピックの経済効果ばかり喧伝されているが、例の放射能汚染に代表されるように、お金だけで解決できないややこしい問題が倉庫に仕舞われないかと心配である。
 とりあえず、土木建築関係の人たちは色めきだち、期待に胸躍らせているようである。それはそれで理解できるが、ほんとうに我々は道や橋をつくり、自然を壊す「開発」が大好きである。
 小さな町内会単位にいたるまで、道がついたり商業施設を誘致したりする話しに、人々は目を輝かせる。とくに男たちが「お金」や「開発」の話しに熱心である。田舎ではそういう傾向が強い、と思う。
 話しがそれそうになった。
 もうひとつ。オリンピックはあまりにも巨大イベントになった、と思う。これじゃあやはり、開催できるところは限られてくる。たとえば、競技を半分にして2年ごとにしたり、4年ごとだが同時に2つの国で開催する、というのはどうだろうか。
 こういうアイデアはたぶん検討されてきたと思うけれど、オリンピックの精神にのっとれば、もっといろいろな国(地域)で興行すべきなのではないだろうか。
 7年後といえば、我らが首相は失意のうちに(原因は不明)引退なさっているだろうし(たぶん)、かの知事は……もしかしてまだイスに座っている、ということにはならないでしょうね。
 ーー日本語学習者に「7年後は?」ときけば、それぞれの目標や夢を語ってくれた。で、「東京オリンピックは見たい?」ときくと、「う〜ん……」だった。(¨;)
(photo:浄土山山頂から槍穂高連峰遠望)