脳細胞流失のとき

 忙しくても、忙しい、と口にしない人が「できる人」だ、といわれる。「できない人」はすぐさま、忙しい、などと周りに口走ってしまうらしい。
 そういう人は、ほんとうに忙しいかどうか疑わしいものであり、忙しく見せるために、忙しい、と発したり、たんに怠け者だったりするのである。
 で、僕の場合はどうだろう。だいたい誰に向かって忙しさをアピールするのか疑問だし、怠けたって、サラリーマンではないから一円の稼ぎにもならない。稼ぎがなくても余裕なら、そもそもやっかいな仕事など受けないだろうし。
 で、忙しいのである。周りに「いそがしオーラ」をまき散らしたりしないようにしてはいるが、こんなときに限って停まっていた仕事が動いたり、断り切れない雑用が入ったりするのである。
 しかし忙しさの原因は、「あせり」なのである。遅々として進まないからである。いや、進んではいるが、巨大な岩壁に取りついたような感じなのである。というより、脳の劣化のせいで目の前に岩壁が像を結んでいるのだろう。
 じつは、やや長い依頼原稿を書いている。一日中パソコンに向かって唸りつづけているのである。
 このように好き勝手に書くブログなら楽なのだが……いや、これでもけっこう気を入れて、手抜きしないように書いているんですよ。
 それでその、かなり制約のある商業文を日がな一日書いていると、ブログは息抜きに効果的ではないか、と思っていたのだが、ただでさえ活力を失っている空っぽ頭はくたびれはて、一日分の脳細胞を使い果たし、ついには自動的にシャットダウンしてしまうのである。
 そんな状態がまだしばらくつづくと思うと、脳細胞をどんどん新規につくっていかなければ、需要が供給を上回ってそのうち枯渇してしまいそうだ。(;O;)
(photo:ドクダミの花。忙しさに効くかしら)