座席替え選挙

 終わってみれば、この選挙はいったい何だったのだろう、と思ってしまう。そもそも何のための解散だったのか、わからない。
 もともと深謀遠慮なところが微塵もないあの首相のやることだから、行き当たりばったりなのはわかっている。
 今回突如現れ、赤丸急上昇で飛ぶ鳥を落とす勢いだった「希望の党」が、反転「絶望」に変わったのは、調子に乗った者の落とし穴を見る思いだった。
 貧乏クジを引いたのは、小池人気にあやかり永田町への近道を夢見た者たちだ。小池に大金を巻きあげられたあげくに、永田町が霧散してしまったんじゃ何をやっているのかわからない。
 早まった判断をしたことを悔やんでいる候補者は少なくなかっただろう。
 ぼくの選挙区でいえば、民進系の候補者が「希望」から出た時点で勝負は決まっていた。おそらく自民候補はほくそ笑んだことだろう。
 どうして判断を誤ったのか。この保守王国にあっては、たとえ「希望」に勢いがあったとしても、支持母体の連合や政策の整合性を疑う一般の有権者がそっぽを向くことは、容易に想像がついたはずである。しかも共産党は候補者を立てるから、政権批判票が分散してしまう。
 逆に自民支持層は、政権にお灸をすえる意味で「希望」に投票する可能性があったかもしれないが、それはあてにできない票である。
 しかし「国難突破」だっけ? 国難って戦争でしょ? ほんとうにあの首相の頭はおかしい。終わってみれば与党は前回並みの勢力。戦前の予想よりはるかに好成績だった。
 これも小池のおかげだ。「希望」と合わせりゃ絶対多数。これが深謀遠慮だったのかと、うっかり感心してしまいそうになる。
 小池はもともと空っぽ。権力を握ることを自己実現としている女。正体が知られてきただけでも、不幸中の幸いである。他方、山尾が当選したのも不幸中の幸い。
 今日は寝不足である。(;_;)
(photo:黒姫山にて)