Y先生への手紙

拝啓 冷え込むようになってきました。調子狂います。先生はいかがお過ごしでしょうか。
 先日「日本語講師会だより」を受け取りました。いつもありがとうございます。
 しかし今号では、ぼくも写っている白山頂上でのスナップ写真がいきなり目に入り、びっくりしました。ぼくは写真に写るのが嫌いなほうなので、先生にしてやられた思いです。
 ウズベキスタンの記事はぼくも新聞で読みました。意外なところで日本語熱が盛り上がっているものですね。
 その朝日新聞ですが、今月から6年ぶりに宅配を再開することにしました。何かの報道がきっかけで一旦やめたのですが、それが何だったか忘れてしまいました。いいかげんなもんですね。
 しかし昨今の、右翼系や政府からの執拗な「朝日バッシング」には危険なものを感じ、ときどきは買って応援していました。
 このあたりのコンビニの新聞スタンドでは、今や朝日は2部しか置いていません。地元のH新聞、右系のY新聞とは格段の差があります。いかにここではマイナーな存在か思い知らされます。
 戦時中の朝日のスタンスもけっして褒められたものではありませんし、バッシングにも弱腰なところは気に入りませんが、リベラル系の全国紙として衰退してほしくないメディアです。
 私事ですが、じつは今月から学校の常勤講師になりました。昼休み用に仕事場に新聞を持って行きたかった、という事情もあって宅配を再開しました。学校にはH新聞しかないのです。
 勤務は非常勤とはちがい、学校のあれやこれや、留学生のめんどうなど授業以外の仕事が当然のことながら増えましたので、体力勝負のところもあります。
 もっとも、それが心配で週4日勤務にしてもらっています。まあ、今さらサラリーマンをするハメになるとは思ってもみませんでした。常勤講師はなり手がいなくて、オッサンでもいいからという学校側の事情を受け入れ、やってみることにしたのです。
 若手が育つまでと思っています。月給になって、労働単価が下がったのは忸怩たる思いですがーー。
 先生のほうも、日本語講師養成講座がまもなく終了されるようですね。ロングランの日程、ごくろうさまでした。
 断続的に新人講師が供給されるそちらでは、講師会の風通しもよく、停滞感とも無縁なふんいきがあると思います。もちろん、先生のリーダーシップ抜きには語れませんが、後につづく方々も育ってきているように感じます。その点はこちらとえらい違いです。
 日ごろの家事や雑用が週末に集約してしまって、ぼくはそちらの教室にときどきしか顔を出せなくなってしまいました。とても楽しい教室ですので、できるだけ都合つけるようにしているのですがーー。
 お世話されている、TさんとTさんのTTコンビの努力には頭が下がる思いです。でも何より、ご本人たちが楽しくてしょうがない様子です。これが一番ですね。
 またお会いしましょう。
 時節柄ご自愛ください。では、失礼します。 敬具
(photo:黒姫山にて)