トランプのまさか

 今年は、熊本地震鳥取地震が発生。
 大きな災害が起きるたびに、何か備えを……と思って家のなかをうろうろするのだが、そのうちこの前無くした掃除機の細い口などを発見して満足し、結局何もせずにまた元の位置にもどるのである。
 心のどこかに、「まさか」という気持ちのゆるみがあるのは否めない。ゆるんでいるのなら締めればいいが、ネジが外れてしまっていてはどうしようもない。
 しかし、ことは自然災害だけではない。最近の「まさか」はトランプである。
 予想していた、と後出しジャンケンのようにいう方々もいるけれど、ふつうに考えればアメリカ国民の良識のほうを信じてしまう。
 しかし、ヒラリーが「良識」かといえばけっしてそうではないところが、今回の結果を招いた一因でもある。
 トランプ支持者から、「彼は正直だ」という声が少なくなかった。
 ちょっと待ってくれ。正直ならいいのか?
 つまり本音を語ったということだろうが、誰もが本音をいいはじめれば社会が成り立たなくなってしまうではないか。
 一般庶民はそれがわかっていてもできないから彼が代弁したのだが、そういう代弁者が権力を握ると少しずつ「くさび」は外れていくのである。
 その点は日本をみればわかる。沖縄差別に福島の棄民政策ヘイトスピーチや与党議員の暴言の数々。
 もしかして、先をいっているのではないだろうか。
 庶民のヘイトな声を代弁する政治家といえば、最近4期も都知事をつとめたあの人とか、大阪に君臨したあの人とか……。
 でも結局は、世の中をかき回して負の遺産を残して去っていっただけである。
 トランプ氏にもそんな臭いがするのだが……。(・o・)
(photo:北千住の銭湯)