焼岳で復活

 性懲りもなくまた山へ行った。
 寺地山でのつまづき(8月18日記事)を克服しないと寝覚めがわるい。もちろんあそこよりもハードルは高くして、自己肯定感を得なければならないーー。
 目標は、焼岳(2455m)。焼岳とは、あの焼岳である。あの焼岳とは、かつて噴火により上高地大正池をつくった、あの火山である。
 ついでにいえば、日本百名山のひとつだ。ま、ぼくは百名山ハンターではないけれど、一度行きたかった山でもある。
 日帰り登山の場合、たいていは登山口までマイカーで行く。それでたいていは、登山口というのは山奥にあるから、思った以上に時間がかかる場合が多い。
 そういう長時間の車の運転が、やがて山中でダメージとなって現れるのではないか、ということに最近気がついた。
 今になって気づいたということだが、気づいてよかった、と前向きにとらえることにした。
 焼岳の登山口は、上高地、中の湯、新穂高温泉の3ルートがある。新穂高からのルートはちょっと長く、日帰りではハードなのでパス。
 上高地からのルートは魅力的だが、上高地はマイカー規制でめんどうくさいのでパス。
 したがって、中の湯ルートを採用するわけだが、登山口は安房峠にある。正確には、安房峠をちょっと長野県側に下ったところにある。
 車で自宅からおよそ3時間だ。これではまた山中で倒れかねないので、今回は前泊することにした。平湯温泉まで前日に移動して、泊まった。安い民宿ですがね。
 結論からいうと、これがとてもよかったわけである。いや、民宿がではなくて、こういう日程が、である。
 中の湯ルート登山口の標高は1600m。焼岳は2455mだが、これは南峰の標高で現在立入禁止、北峰の2393mが山頂となっている。
 しかし、北峰には噴気が上がっているところがあって、その噴気口を巻くように道がつけられているので、火山ならではの迫力がある。
 今回は余裕をもって焼岳を往復し、余力を残して登山口に帰ることができた。トシ相応の日程を組むことが、山で事故をおこさない秘訣なのだろう。(^_^;)
(photo:焼岳北峰と噴気)