体力降下と身体硬化

 朝起きて立ち上がると、身体が石膏かなにかで固められたように硬化している。ちょうどアリナミンのコマーシャルのような感じである。
 いや、そのときはまだ覚醒していないのかもしれない。そういえば、立ち上がってヨタヨタし出すとようやく「オレは起きたようだ」と自覚する。
 しかしその「ヨタヨタ」が、今後問題になってくるかもしれない。布団の端に足をひっかけたり、階段を転げ落ちたり、なんてのはシャレにならない。
 トシとともに夜中にトイレに行くことも、最近では珍しくなくなった。
 半眠り状態で夜中に、転倒→骨折→失禁なんて恥ずかしいことにならないよう、今のうちから「対策3本の矢」でも考えておく必要がありそうだ。
 ちょっと前までは、どこまでも拡張する柔軟な膀胱を誇っていたのだが、最近では硬化したゴムのようになってきたのか、我慢ラインがどんどん下がってきている。
 膀胱は最近まで柔らかかったのだが、身体は小さいころから硬かった。
 前屈では、指先がやっとのことで地面に届く程度だった。足が長いせいだと思っていたが、ぼくより足の長いやつが手のひらをぺったりとつけるのを見て、今度は手の長さを見くらべてみたが、それも原因ではなさそうだった。
 体操選手とか中国の雑伎団などは、とても人間とは思えない。僕などは、足を開いても90度ぐらいである。それ以上は拷問だ。
 身体が硬いとよくないとか、あぶないとかいわれる。
 でも、それで困ったことはあまりない。ギリギリまでスポーツにのめり込んだことも、とっさの危険にさらされたことがないからかもしれない。唯一、山の岩場でヒヤリとしたことはあったが、命が危険というケースではなかった。
 しかし、いざというときに身を守る受身体勢がとれない可能性がある。そういえば、去年自転車で転倒して顔面を縫ったなぁ。
 頭の中は柔らかい(つもり)だから、それでカバーできればうれしいんだが……。(;。;)
(photo:根子岳山頂にて。2207m/長野県/2013.8)