異次元感覚の人

 「誠実」という衣をまとっている(ように見える)けれどどうも怪しげだなぁ、というイメージだったM添氏。
 彼は厚労大臣をやった自分を「大物」と錯覚して、J民党から飛び出した。しかし予想外に、ほとんど誰もついてこなかった。手下のいない「大物」だったのである。
 ふつうはそこで「終わり」なんだが、いつのまにかシュッと都知事におさまっていた。「漁夫の利」を得るとは、運のいい男である。
 でもやっぱり、正体は隠しきれないものだ。いったいどういう感覚で知事職をつとめていたのだろうかと、中学生でも疑問符がたくさん頭をめぐるはずである。
 ついには「疑惑の総合商社」という称号までもらって、想定外のプレゼントだっただろう。
 しかし、一般常識やモラルというものが脳の領域に存在せず、また、神経がロープでできているようなこの手の人たちは、ゾンビのようによみがえってくるから要注意だ。
 彼の大先輩に、かつて「疑惑のデパート」と呼ばれていた人もいた。困ったことに今でも中央政界にいらっしゃるがーー。
 権力者を批判したり、風刺や揶揄したりするのは、有権者の大事な仕事である。しかし、権力者がレームダック状態におちいれば、それ以上は死者にむち打つ行為だ(死んではいないが)。
 ブログが炎上したり、弱い個人をとことんバッシングする今の世の中、スケープゴートにストレス発散の場を求めている人たちがあまた存在する。
 一方、世間の関心が一方向に向かうと、隠れてしまう情報がある。「隠される」といっていいかもしれない。権力者はよくそういう状況を利用する。
 こっそりと復帰した元TPP大臣をはじめ、沖縄の議会選やアメリカ軍属による事件の影響、また、熊本地震被災地の状況などはどうなっているのか、伝わってこなくなった。
 マスコミの責任は大きいが、ネット社会では自分の興味がある情報しか取らないから、結局はマスコミもそういうニーズに沿った情報提供をするようになるのだろう。
 しかしなぁ、別荘を持つような人の感覚は「異次元」なのか。そういえば、「異次元緩和」とかあったよなぁ。
 やっぱり、庶民感覚とはズレているよね。(-_^:)
(phot:飛騨市種蔵地区にて)