着々と監視システム

 H電力の下請け会社が、従来の電気メーターをスマートメーターに交換しに来た。
 係員に「交換しなくていいよ」といったら、「あと半年でメーターの寿命がくるので、それ以降は使えなくなりますよ」といわれた。
 「それは好都合、カウントできなくなればお金を払わなくてもいいんだね」といおうと思ったが、下請け係員とケンカしてもしかたがないので、交換に応じた。
 電力の自由化とともに、国の方針でスマートメーターを導入することになっているらしい。
 こんなところでつっぱてもなぁ、と思って交換してしまったが、このスマートメーターは僕たち電力契約者にとってメリットはない。
 しかし、電力会社にとって大変メリットがある。
 このメーターは、インターネット回線を使って瞬時(といっても30分毎)に、電力使用量をデータ通信する。従って、電力会社は時々刻々とユーザーの電力使用量を把握できるのである。
 いい方を変えれば、やろうと思えばユーザーを監視できる、ということである。また、やろうと思えば留守かどうかわかるのである。
 従来のアナログメーターではカウントロスが発生して、実際の使用料より少なめにカウントされていたものが、困ったことにデジタル化によって漏れなくカウントされるらしい。
 さらに電力会社にとってうれしいのは、各戸をまわって検針する必要がなくなるので、そのための作業員がいらなくなるのである。
 そして問題は電磁波である。常に電波で通信しているので、電磁波障害のリスクが指摘されている。実際、このシステムの先進国、アメリカでは問題になっている。
 というわけで、マイナンバー同様、僕たちには何のメリットもない。何が “スマート” なのかわからない。少なくとも機械は全然スマートではなかった。
 内閣の支持率が上がったらしい。
 3万円でだまされて、アベシンゾーを支持する「いいね」ボタンを押した老人たちを責めることはできないが、あまりにも現金な反応ではないか。
 あそうか、現金か……。(*_*)
(photo:高山昭和館にて)