上書きしない日本

 1月7日に書いたマジックショーの顛末に、それはないやろ〜、という苦情(ではないな、指摘か)が寄せられた。
 ん〜、ごもっとも。確かに常識的に考えておかしい。
 そのときの記録、たとえば日記でも書いていれば胸をはってドヤ顔できるのだが、記憶は上書きされる、という人間の脳機能からすれば信憑性を疑われてもしかたがない。
 残念ながら、日記というものにまるで縁がなかったガキの記憶など、刑事さんオレはやってないんだ〜、と同じようにアリバイがないのである。
 そういう前提であのときの事情に若干付け加えるならば、ぼくの記憶に強烈に残っているあの美女切断シーンの前に、何かしらそこにつながる伏線マジック(あるいは仕掛け)があったのかもしれない。
 そこのところを、僕は見ていなかったのかもしれない。そういえば、いっしょに見ていた家族が動揺したという記憶がないから、そういう伏線状況があったと考えられる。
 いずれにしろトラウマになったのだから、はるか昔のマジックの真相など今さらもういいのだが、確かに記憶の上書きはよくあることである。
 しかし話しは変わるが、なかなか上書き(訂正)しないのが、日本というシステムである。
 ようやく寒波が到来し冬らしくなってきた。暑さに閉口したこの前の夏も、こうなるとすぐに忘れてしまう。
 CO2排出の温室効果で、地球温暖化が進んでいるという。CO2の排出削減しなければ、地球は大変なことになるといわれている。
 しかし今や、本気でそんなことを信じているのは、日本ぐらいである。欧米諸国は、この問題からとっくに降りている。
 いや、新興国は先進国からお金をしぼりとるためにこの問題を叫んでいるが、たんに国際政治のかけひきの問題になっている。
 日本だけが突出したCO2削減の高い目標をかかげ、巨額の国内対策費を計上し、新興国にもまた巨額の支援を行っている。
 CO2排出量は米国が世界全体の17%、中国が27%だが、日本はたった4%である。米国、中国はほとんど何も対策をしていないのに、日本だけが意気込んでいる。
 ここ100年間で地球の平均気温は約0.8度上昇したが、もうすでに上昇は止まり、今後は寒冷化に転じると予想されている。
 地球の気温はCO2より太陽の活動に左右されることがわかっており、近年の観測から黒点の増加とともに、やがて地球は寒くなるようである。
 米国では寒冷化にそなえて、すでに準備をはじめている。寒くなればまず食料確保が喫緊の課題となるからである。やはり米国は懐が深いというか、おそろしい国である。
 ひるがえって我が国をみれば、食料自給はほぼ不可能に近く、ノーテンキに官民がCO2温暖化説を信じて無駄なお金を使っている。
 (参考資料:『地球はもう温暖化していない』(深井有 著/平凡社新書)、『正しく知る地球温暖化』(赤祖父俊一 著/誠文堂新光社)、『二酸化炭素地球温暖化説の崩壊』(広瀬隆 著/集英社新書))