かすめ取る人々

 世の中便利になったね〜、といわれたりするが、ときどきそれはウソだと思うときがある。
 先日、あるイベントのチケットを買おうとした。そのチケットを扱っているところが、「チケットぴあ」だったので、さっそくネットで検索した。
 何かを調べたり検索する場合は、ネットはやはり便利である。
 それで「チケぴ」のサイトで、目当てのイベントを捜した。このサイトには膨大なデータがぶら下がっているので、キーワード検索をした。
 そうすると難なく見つかったのだが、さて購入しようと思ったら、会員登録しろといわれた。
 まあ、パソコンが口頭でそんなことをいうわけではなく、無言でかたくなに壁のように、それ以上画面が切り替わらず、次の操作を拒否したのだ。
 ここ近年、「チケぴ」でチケットを入手しなければいけないようなコンサートや催し物などとは縁がなかったので、当然会員登録はしていなかった。
 ここで登録することもやぶさかではなかったが、次回いつまた利用するのかと考えると、個人情報をうるさく問われて入力することが面倒臭くなった。
 それで、この手のサイトを利用することに長けた家人に頼んで、チケットを取ってもらった。支払いは、コンビニ決済にしてもらった。
 しかしこのコンビニ決済というものも、じつに面倒臭い。支払いに必要な「決済番号」というものを持ってコンビニに出かけ、ATMのような決済マシーンの前に立たなければいけないのである。
 そちらの操作は、さほど手間がかからない。支払いに来たぞ、という意思表示さえすれば、バーコード入りのレシートをすぐに吐き出してくれる。
 それを持ってコンビニのレジでお金を払って、ようやくチケットを手にすることができるのである。
 ネット上でクレジット決済にすれば、このような煩雑な手間もかなりはぶけるのだが、カード情報がハッキングされるリスクを考えれば、あまりほうぼうのサイトでカード情報を登録するのも危険だろう。
 とはいえ、このコンビニ決済という方法、これって便利か?
 ときどき利用するが、とてもそうは思えない。消費者よりもサービス提供者の都合を優先している、としか思えない。
 しかも、システム使用料とか発券手数料とかいう、よくわからない費用が、有無をいわさず加算されて請求に上乗せされてくる。
 僕たちは便利になったと錯覚させられて、少額かもしれないがいたるところで、様々な名目の手数料のようなものを、かすめ取られているような気がする。( -_-)
(photo:合戦尾根で見つけた見事なベニテングタケ。もちろん毒)