丁寧に説明する効用

 ーーホルムズ海峡にイランが機雷を敷設する。というのが、アベシンゾーたちのシナリオだった(破綻したので「だった」とした)。
 軍事専門家は早くから、そんなことありえん、といっていた。そんなことすれば、イランだって困るから、というのだ。
 世界地図をよ〜く見ると、イランの油田地帯はペルシャ湾に面している。
 ん〜、たしかにそうかもしれん。しかもそんなことしようものなら、サウジアラビアUAEクウェートカタールといった国々だって黙ってはおるまい。
 つまり、現実味が乏しいSFちっくな話しを前提に持ち出してきているのである。ずいぶん国民をバカにしたものだ。
 先日、ついに当のイランが、自分の首をしめるようなそんなことオレたちがするわけねえだろ、といった。
 それを聞いてアベはあわてて、地域を限定しているわけではない、という苦しいいい訳をした。
 かように、すぐさま発言を変える、軽い人なのである。
 ーーアメリカの艦船が日本人を乗せて戦場から避難させるときに、自衛隊が護衛するという。……??? アメリカが日本人を救助する? しかも軍隊が……。
 そもそもそんなことありえん。軍隊が民間人を助けることなどないだろう。だいたい、民間人が軍隊といっしょに行動すれば危険でしょうがない。
 僕たちは自衛隊に、災害救助のイメージを持っていてその延長で考えてしまうが、災害と戦争はちがう。集団的自衛権のもとでは、彼らは救助ではなく戦闘に行くのである。
 ーー中国を名指しで「脅威」だといっている。力をつけた中国は、たしかに謙虚さに乏しい。
 だからといって、それだけで被害者意識丸出しではじつにみっともない。小心な小者である。怖いコワイと叫ぶ前に、外交努力をすればいいだろ。
 アベが「丁寧に」説明すればするほど国民の理解が進み、いよいよヤバイと気がつくのである。(-.-#)
(photo:碓氷第3橋梁、通称めがね橋)