来し方行く末

 狂信的な人々が国を支配すると、かくも恐ろしいことになるのか、というのが最近の我が国である。
 ここまで卑屈にアメリカにサービスするのかと、もはや驚き以外にない。アベはこっぴどくアメリカに恫喝され、見返りにおいしいエサをあたえられたにちがいない。
 彼は先のアメリカ訪問では、大歓待を受け満面の笑みだった。親分にたくさんのお土産を持って行き、頭をなでられたのだからそれもそうだろう。
 国力が低下し人心が荒廃するあの国は、いよいよ我が国から徹底的に搾取しようと決めたようである。今後僕たちは、ますます貧乏になることを覚悟しないといけない。
 それにしても無力である。戦後70年、周到に着々とコマを進めてきた右派勢力は大きな流れとなって、今やアマゾンのような大河と化し、小さな小舟では流れに抗えなくなってしまった。
 国のカタチが変わってきているのは日本だけではない。
 先進国、とりわけ壮大な実験ともいえるEUでも、域内の格差が拡大し、民族問題が表出するなど右傾化が進んでいる。
 イスラム圏の問題も、元をたどれば彼らの問題だけではない。アメリカをはじめ、イスラム諸国を植民地としていた旧宗主国のまいた種である。
 現在のISISが典型だ。乱暴にいえば、アメリカが育てた鬼子である。
 そのときどきの国益を考えて行動する国だから、昨日の友は今日の敵となりうる。まったくご都合主義である。
 しばらく前までは「世界の警察」を自認し、ときにはそれなりの役割を果たしたのだが、今ではあからさまに自国の利益優先である。
 それでもオバマは、戦争を積極的にしかけないだけでもマシである。しかし、次の大統領しだいでは日本は戦争に巻き込まれるのだ。
 さて、僕たちはこれからどうしたらいいのだろうか。(-_-)
(photo:マムシグサ。野坂山にて)