情報の操作と砂漠化
日本のマスコミは、国外のニュースをあまり伝えない。アメリカのどうでもいいようなニュースは伝えてくるが、そこはやはり属国としての面目躍如である。
たとえば、IS(Islamic State)はあいかわらず蛮行をはたらいているが、日本人が関係しないとまったくといっていいほど報道しない。
この「IS」だが、外国ではおおむね「ISIS(Islamic State of Iraq and Syria)」と呼ばれている。ISだけだと、略称がほかにいくつもあってまぎらわしいのだろう。
Intermediate school、Independent Soldiers、Intelligent Systems、Island AirlinesのIATAコード、とかいろいろだ。
日本は英語圏ではないので「IS」で十分かもしれないが、どうもほかに事情がありそうである。
トヨタ自動車に「ISiS」というミニバンがある。そこそこ売れているようである。ところが困ったことに、昨年、降って湧いたように「ISIS(イスラム国)」が台頭してきた。
後発の同名が悪の権化のような存在では、いかにも具合が悪いしイメージダウンだっただろう。トヨタはたぶん、ちっ、と思ったはずである。
トヨタは日本が誇るグローバル企業である。圧倒的な存在感と影響力を持っている。ただ手をこまねいていたとは思えない。
インターネットに流れている「IS」のPR映像に、黒ずくめの兵士が武装してトヨタのSUVに乗り、何台もつらねて行進する映像がある。テレビでも報道されたが、世界中の人が見たと思う。
印象ではあるが、あのトヨタ車はすべてピカピカだったような気がする。もちろんトヨタが連中にクルマを提供したわけではないが、トヨタにとってもプラスイメージだとは思えない。
まあ、トヨタとISの一件はどうでもいいが、僕たちは情報の洪水のなかにいながら、どうも大事な情報の過疎地にいるのではないか、と思うことがたびたびある。
この国では最近、そういう操作がおこなわれているのではないか、という気がしてならない。(・o・)
(photo:イワカガミ。福井県野坂岳にて)