話しが通じない

 人と話しをしていて、お互い喋っているんだけれど、アレ? 何かおかしいなと思うときは、たいがい相手がこちらの話しを聴いていない場合である。
 他人の話しに興味はないが自分には関心を持ってほしい、というような、自己チューというかナルシスト系の人がそれに当たる。
 タチが悪いのは、聴いているフリをしてじつはまったく聴いていないタイプである。会社の上司とか、ひと年まわったオジサンオバサンに多い。
 そういう相手に遭遇すれば、ときにはキレそうにもなるが、その程度ならはなはだ平和な光景である。
 しかし、ISISはいただけない。狂信者の集団である。話しがまったく通じない。
 「イスラム国」と自称しているが、宗教の名を借りた犯罪組織である。敬虔なイスラム教徒が激怒するのも無理はない。
 たとえば、僕が住んでいるところは浄土真宗系の地域だが、その名を借りたカルト組織が犯罪を起こせば、いくら信仰心が薄い僕だって迷惑だと感じるし怒りが増幅するだろう。
 ひとつ違和感がある。「テロとの戦い」である。
 「テロ」というと政治的宗教的背景がつきまとい、立場によってときには善悪の境界が現れたりする場合がある。イスラムを語れば「ジハード」となるのが典型例だ。
 イスラム過激派が母体となって犯罪者集団が形成されていくのは事実かもしれないが、報道する側がことさらイスラムを前面に出せば、穏健で正しいイスラム教徒を追い込んでしまう恐れがある。
 イスラム社会と、その名を語る犯罪者組織はきちんと分けなければいけない。
 そしてまた、過激な集団がどうしてあちこちで生まれてくるのか、ということももっと知る必要があるだろう。
 ーー後藤さんのご冥福を祈りたい。(;_;)