師走に政局かい

 あきれてものがいえない、とはアベシンゾーのことである。
 降って湧いたような衆議院解散。なんと姑息な……ともいえる奇襲作戦。ちまたの噂どおり、失政隠しがミエミエである。しかし、意味がわからない。
 一強多弱、今ならまだ勝てる。バカな国民の信任を得て(ダマして)、財政再建、どころかほんとうのねらいは戦争準備まっしぐら。……という目論見だろう。
 まあ今度は、まちがっても自民、公明に投票してはいけない。再び公約にないことを次々にやることだろう。詐欺師のような集団だ、ということを忘れるなかれ。
 とはいえ、野党もだらしない。民主党は、前回の惨敗ショックから立ち直っていないし、だいたい、失敗の総括をしていないところが致命的である。
 みんなの党が解党するらしい。ついでに野党はすべて「解凍」し、再編成すればいい。選挙後にコソコソやるのはルール違反である。
 反自民公明の受け皿がなければ、投票率が上がらない。そうなると与党に有利である。あるいは、スタンスが明確な共産党に投票すればいい。
 しかし困ったことに、共産党アレルギーが世間では根強い。これはほんとうにくだらない「空気」なのだが、何も共産党が政権を取るまでに当面なれるわけではないので、つまらない心配は不要である。
 若者の自民党への支持率が意外と高く、これまで内閣を支えてきた面がある。経済成長期を知らない若者の目に、アベシンゾーが救世主のように映ったのだろう。
 ところが、どうも最近は若者も彼の正体に気づきはじめ、離れてきているようだ。だからこそ受け皿が必要なのである。
 しかし新党となると、求心力となる人物が問題である。生活の党のあの党首も、もう過去の力はないだろうし、再編しても自民党の補完勢力なら意味がない。
 そのあたりも、これからよく見極めないといけない。
 この国は大きな曲がり角にさしかかっている。かなりコーナーを回った感があるが、ブレーキをかけ後もどりできるところに、まだあると思う。(^^ゞ