廊下で老化を意識

 子どもは身体が柔らかい、といわれる。
 小学生のときには、よく前屈をさせられた記憶がある。僕は小さいころからなぜか身体が硬く、前屈で指先が地につくことはあっても、手のひらがぺたりとつくことはなかった。
 前屈ができなくても日常生活にさして困ることもなかったが、小学校のころは友だちにバカにされたりはした。
 しかし、前屈ができないと身体が硬いかというと、それはちょっとちがうと思う。人間の身体はそんな単純ではない。反射神経や注意力、判断力などが加わった総合的なものだろう。
 先日、背筋を痛めた。雑誌や広告類をしばった廃品を、両手にひとつづつ持ち上げたときにやってしまった。
 リサイクルに出す紙類を整理してくくり、束を廊下に並べた。何を思ったのか、足もとから遠いほうの2つを持ち上げたのである。
 ーー体勢にムリがあったのだ。一瞬の油断だった。
 2日経っても右側の背中や脇腹が痛く、とくに息を大きく吸うとじわ〜んとした痛みがあるので、近くの接骨医に行った。
 肉離れ、といわれた。えっ? 肉離れ? ……なんとモロい我が身体、と思った。
 背中をテーピングされ、大きな湿布を2枚貼られた。僕は背中や腰が敏感で、治療で触れられるたびに、「うっ」とか「あっ」とかいいそうで、治療よりもそっちが困った。
 さらに、家に帰ってパソコンに向かって仕事をしていると、湿布のせいで身体が冷えて寒くなってきた。シャワーはいいが湯船にはつかるな、といわれたし……。
 まあそんなことはどうでもいいのだが、今回のケガで身体のおとろえというのをあらためて認識したのである。
 身体のあらゆる部位はトシとともに加速度的に老化するので、日ごろから鍛えておかないと、30代ぐらいで止まっている精神年齢とのギャップせいで思わぬケガをする、ということだ。
 で、反省して前屈をしてみたら、伸ばした指先から床まで15cmはあった。ちょっとがんばって距離をちぢめようとしてみたが、あらたにまたべつのところを痛めるかもしれないのでやめにした。ふぅ〜 (;O;)
(photo:庚申塚を見つける。千曲市にて)