跳梁跋扈するゾンビ

 いじめっ子世にはばかるーー。
 「いじめっ子」が支配する世の中である。今、我が国いちばんのいじめっ子グループが動揺している。
 しかしこのグループには、なぜか多くの同調者がいる。困ったことにこの同調者たちのほとんどは、自分がいじめられている側だという自覚がない。
 先ごろ、いじめっ子グループの構成員2人が更迭された。グループ内に昔から存在する悪習に染まっていた2人が、たまたまやり玉に挙がったためだ。
 つい先日構成員に抜擢されたばかりだから、さぞ悔しかろう。まあ、身から出た錆だからしかたがないと思うが、親分の寵愛めでたい肝いり5人衆のうちの2人だから、親分の落胆も大きかろう。
 艶やか(に見える)な5人衆だが、もちろんそれぞれの個性は異なる。仲がよさそうでもない。よりによって、なかでも「マシな」2人がいなくなり、タチの悪い3人が残った。
 そういうもんだ。いじめっ子の世界はーー。
 しかし、「艶やかな」構成員という親分のコンセプトだが、あれは親分の幻想である。
 そもそも、いじめっ子グループを構成する人材を拾い上げる、親分の出身母体である下部いじめっ子グループ(ああややこしい)に「艶やかな」人材などいない。
 外見上そのように見えるグループ員が若干いることはいるが、あれは皆白黒画像に着色をほどこしたような、古式騒然たる面々である。
 住み家にもどるとゴム製の顔面マスクを静かに外し、鏡に向かってニタッと笑っているかもしれない。まるでホラーだ。
 しかし、ホラーが現実になるところが怖い。
 我が国だけではない。とっくの昔からホラーの世界に浸かっているのは、我が同盟国。そういえば「ゾンビ」という傑出したキャラを生み出した国だ。しかし現実は悪い冗談である。
 ここ最近では、「イスラム国」という異常集団が不気味である。「国」なんかではない。たんなる犯罪集団である。
 世界中でゾンビのような連中がはびこる。エボラ出血熱のような伝染病も驚異だが、やはり人間の所業がいちばん怖い。(-_^:)
(photo:千曲市荒砥城にて)