ラジオでイライラ

 「弊社では年間、ブラジャーをどれだけ生産していると思いますか?」
 ーークルマを運転しながら、FMを何気なく聴いていた。ゲストは、さる大手下着メーカーのある程度地位のある女性社員だった。
 番組のキャスターが彼女を紹介し何か質問をしようとした矢先に、逆に彼女がキャスターに質問したのが、冒頭のそれである。
 キャスターがおおげさにおどろくと、畳みかけるように彼女は次ぎの質問を発した。
 「ひとつのブラジャーは、いくつの部品でできていると思いますか?」
 キャスターが答えに困ると、大企業の彼女は三択を示した。
 事前打ち合わせ通りの進行なのかもしれないが、どうにもイライラするやり取りである。要するにリスナーに問いかけたことでもあるので、イライラの原因はそこにある。
 予備知識もなしに、マイナーなことを聞かれてもふつうはまったくわからない。
 「わたし、いくつだと思います?」の逆問いかけに似ているが、この場合は相手が目の前にあれば判断材料となりうるので、まだマシである。しかし、男がこれをやるとバカである。
 件のブラの質問では、最初から三択を示せばイライラを発生することもなかったと思う。ささいなことだが、大企業の傲慢さがほの見えた瞬間である。
 アベノミクス下では、大企業が優遇され大もうけしている。利益に対して納税額はおどろくべき少額である。アベノミクスがうまくいけばいくほど、一般庶民は窮地におちいるのである。
 アベ政権下、生活が楽になりましたか? 誰が支持率を維持しているのか……。
 それはよくわからないが、ブラの答えはわかった。しかし、すぐに忘れてしまった。
 そんな豆知識をおぼえていてもロクなことはない。(-.-#)
(photo:立山弥陀ヶ原。秋の気配)