子どもっぽい大人の国

 ショッピングセンターやデパートの床に寝転び泣きわめく子どもは、ときどき目にする光景である。そういえば、我が子での経験もある。
 本人にとっては、自分の要求が聞き入れられないことへの抗議行動だから、それはそれで理解できる。ここでこういうパフォーマンスをすれば効果的かも、という計算もはたらいてのことだろう。
 子どもなら、それも愛嬌である。他人の子どもなら、はは〜やっとるわい、ぐらいのむしろその元気さをほめてあげたい、と思うこともある。
 しかしなぁ〜、兵庫県の某市議の場合は、あきれて笑うしかない。衆人監視のもとあそこまで感情を発散できる神経が、すごい。いや、常人にはマネできない。
 子どもが「大人びた」といわれると、ときには好意的な意味に使われる場合もあるが、大人が「子どもっぽい」といわれれば、蔑まれ嘲笑される場合がほとんどである。
 件の市議に限らず、この国の為政者の「子どもっぽさ」は、世界でも類を見ないのではないか。トップからして、床に寝転んで手足をバタバタさせている子どものようである。
 そういうおバカな連中を選んだ側もまた、子どもっぽいのかもしれない。何を基準に彼らを選んだのか、そこのところもまた子どもっぽい理由だったかもしれない。
 大人の世界というのは、「約束を守る」ことを基本に営まれている。それを見てまた、子どもも育つものである。
 ところが今の日本は、大人の山の大将である人物がまったく約束を守らないような、子どもの国である。といえば、子どもに失礼かもしれないがーー。
 サッカーの日本代表を引き合いに出すのも適当でないかもしれないが、やはりこの国は「個」が確立されていない。
 周りを見て足並みそろえ、あまり目立たないように、空気を読んで、強い者に寄り添い、弱者には冷たい……あれ? どこかの政権党の議員のようだ。( -_-)
(photo:何思う? 近くの海岸にて)