不自由をもとめて

 田舎へ行くと地元住民の視線を感じたり、ときには、不審者のように見られたりすることがある。とくに、観光客が行かないところならなおさらである。
 それは、「ヨソ者」を警戒しているからであり、住民にとっては不安をかき立てる存在だから当然な反応だろう。
 まあ、地域の監視システムが機能しているともいえる。もっとも、ヨソ者を見張るだけではなく、住民同士が相互監視するような側面もあるので複雑である。
 都市部ではそうもいかず、そこはある意味ヨソ者の集まりともいえるので、監視システムは機械に頼ることになる。
 監視カメラだけではなく、最近では「顔認証システム」が大阪で実験導入されそうになった。あいにく世論の反対にあって見送られたが、当局は次の段階に行きたくてウズウズしているようだ。
 すでにカメラは、あらゆる場所に設置されてしまったとみていいだろう。
 ときどき、ATMブースやエレベータで一人になったときに、カメラに向かってピースサインをしたりニコリと笑ってみたくなるが、まだ実行に移したことはない。
 イギリスやアメリカのように、日本も監視社会になってきていることにはまちがいない。
 このうえさらに、例の悪法「特定秘密保護法」が施行されたり、共謀罪を問う法律ができたりすると、監視カメラや住民相互の監視システムがフル稼働してしまう恐れがある。
 民主主義を旗印にしていた「自由」の国アメリカは、9.11以来、「不自由」な監獄国家になってしまった。
 そういうところはマネをしなくてもいいと思うが、日本も確実にアメリカのあとを追っている。
 会社という世間で束縛されることに慣れている日本人、融通がきかない日本社会ではもっとひどいことになりそうである。
 マイナンバーが振り当てられ、ビッグデータが都合よく利用されると、個人情報など丸裸である。今晩の食卓まで当局に知られてしまうかもしれない。
 シャレにならんわなぁ〜。(-_-#)
(photo:林床でみた花。鈴ヶ岳。名前わからず)