19世紀へ逆行をはじめた入口の日

 今ならまだ捕まらないから、デモに行って叫んでこい。と、病床の友人にいわれたので、押っ取り刀で参加してきた。
 やめまっし! と、金沢から叫ぶ。こちらではふつう「叫ぶ」ように使うことばではないが、かなり強い調子のお願い、または指示である。
 でもおそかった。昨夜、参議院強行採決されてしまった。
 特定秘密保護法案ーー。
 そもそもまったくの公約違反である。こんなことを国民は付託した覚えはない。
 大日本帝国復活をもくろむ暗愚の党は、衆参の選挙で結果的に大量の議席を得たが、国民の大多数がキミたちを支持したわけではない。小選挙区制のマジックが味方しただけなのである。
 暗愚の党と連立を組む、一方の厚顔無恥の党は確か、平和だの福祉だの標榜していたのではなかったかな。看板を変えたほうがいいようだね。
 しかしいきなりこんな世の中になったわけではない。政治や選挙に無関心だった国民の側にも責任はある。
 誰が首相になっても同じ。どうせ何も変わらないだろう。と、達観したかのように傍観を決め込み、人ごとにしてきたーー。
 そんなことをつづけているうちに、こんなに変わってしまったのである。どうするよ。
 かつて危険な男といわれ豪腕を売りにしていた男や、警察官僚出身のあまり静かでない男などがひどくまともに見えるのだから、世の右傾化ぶりは相当なものである。中国や韓国が神経質になるのも当然である。
 アベシンゾーは、国民を守るため、という。その「国民」とは誰のことなのだろうか。キミのお友達のことなのね。アメリカのことなのか。ごめん、アメリカはご主人様だったね。
 成立してしまったものはしかたがない。しかし、国民は日本人の特性は発揮しないように。「忘れる」という特性をーー。
 イジメでいちばんつらいのは「無視」だそうである。僕たちは、暗愚の為政者にイジメられたのである。イジメを受けた者は忘れないでしょ。(-.-#)