沖縄へ(2)

 沖縄のことを書くのだった。
 そういうわけで、このトシになってようやく沖縄に上陸したのである。
 蒼い海で遊び、オリオンビールをがんがんやり、沖縄料理とちょっぴり泡盛をたしなみ、さんぴん茶で一息ついたあとは、うちなーんちゅ美女が足マッサージを……ヒヒ。
 というような状況を頭にえがこうとしたのですが、これではまるでノーテンキなアホ本土人でありますなぁ。
 やはりここは、沖縄は日本のやっかいごとを押しつけられているという現状を鑑み、ビールや美女は二の次にして襟を正して訪問しないといけない。と思ったのである。
 もっとも、時期的に蒼い海どころではない。沖縄本島は、修学旅行の高校生であふれていた。どこへ行っても、ネジがゆるんだ少年少女の集団(むろん全員ではない)に出くわした。先生は大変である。
 しかし、戦跡、米軍基地、城(グスク)跡をめぐると、僕たちも「修学旅行」のようなものだから、彼らとの遭遇率はきわめて高かった。
 まあしかし、これはやむをえまい。ここを無視して沖縄にエントリーすることはできまい。
 というわけで、ワリと駆け足で効率よく、僕たちにしては珍しく精力的に歩いてまわったのである。
 旅に出ると、ぼんやりして何もせず少し本を読んで一日が終わる、という日がかなりの比率で出現する。
 ところが今回は、ツアーのモデルコースにしてもよさそうなくらいのメニューだった。……いや、ツアーのほうがやはりハードかもしれんなぁ。
 ーーなどと、なかなか本題に入れない。
 さて、戦禍にまみれた沖縄本島の町は、戦後の建物がほとんどで、伝統的な家屋を見つけるのはむずかしい。
 そういう町のふんいきは、僕がしばらく住んでいた中国の地方都市によく似ていた。それは、気候が似ているせいだけでもなさそうだった。
 なんだろう? ある種なつかしさも手伝って、旅のあいだ中そのことを考えていた。(*_*)
(photo:おなじみ守礼門