ゆるキャラ企画のゆるさ

 ある欧州人は、肩をすくめお手上げのポーズをした。また、ある中国人は、ちょっと理解不能ですね、と多少冷ややかに笑いながらいった。
 反応はどちらも男性だが、外国人の女性はもう少し好意的な反応をする。でもやっぱり不思議に思っていることに変わりはない。
 今や「くまモン」の一人勝ち状態になってきた感のある「ゆるキャラ」業界。
 ブームはなかなか終わらない。ゆるくないキャラや、キャラがどうもよくわからないキャラもときどき見かける。そんなカオスのような状況である。
 今年の夏はさぞつらかったことだろう。実物の彼らのほとんどは、たぶん、夏に弱いハズだから……。
 それはともかく、ゆるキャラは広報の手段として、自治体が手がけるという新奇性が当初受けたのだろうが、マーケティングに成功したのは「くまモン」ぐらいではなかろうか。
 いったい全国にどれだけのゆるキャラが生息しているのだろうか。前出の中国人ではないが、このブーム理解不能、または意味不明である。
 しかし、そこは意味があり理解できるのである。日本人にはなんとなく。まあ、答えにはならない、なかなか悲しいanswerではあるが……。
 前例主義ーー。マネをしてしまうのである。対抗する新しいアイデアを考えない。他人のアイデアに乗っかってしまう。
 そして、ある一定のフォロワーが生まれるとブームになって、みんなが同じ方向に進んでしまう傾向がある。
 そういった国民性はけっして美しいとはいえないけれど、それにしても全国どこへ行っても目にする「かわいい」系や「癒し」系のマスコットを、ほほえましいとも思えないのである。
 日本全国が幼稚化してしまって、なんだかそれらがゾンビのように見えるのである。
 などというと、少しへそ曲がりかもしれないが……。(*_*)
(photo:ご当地キャラ2つ)