諸問題の悩みと健康

 飲み会や茶飲みの席では、僕のような世代はどうしても子どもの将来や老親の世話、自身の健康や年金の問題などが話題にのぼる。
 子どもについては、いつまでも心配が絶えずこんな時代が来るとは思わなかった、とおおよその友人たちがこの先を憂い、老親については、長生きな戦中派世代と自分を重ねてまた憂う(何を憂うのか……)。
 明らかに親世代よりも弱体化した身体のおとろえを実感し、さらに、消えてなくなりそうな年金問題が追い打ちをかける。
 こんな世の中に誰がしたのか。じっと手を見ても答えは出ない。オレのせいじゃない、といって政治家や官僚を責めるのはかんたんだが、それを許してきたこちら側の責任もまた、ナシとすることはできない。
 難問山積だが、自分である程度コントロールできるのは、己の健康ぐらいである。しかしそれも、ひとたび病にかかれば医師の選択がまたむずかしい時代になってきている。
 せめて健康だけはともがいてはいるが、体力の低下はつるべ落としである。維持するだけでも大変である。ということにも気がつくのである。
 80歳でエベレストの頂上に立ったM浦Y一郎は、毎日かどうかは知らないが、朝からステーキを食べるそうである。彼のトレーニングの厳しさもさることながら、それを支える消化器系の強さはやはり常人の域を越えている。
 今だに若大将をやっているK山Y三の健啖家ぶりも、おとろえを知らない若さとパワーを支えている。
 だからといって、誰もが朝からステーキを食べれば超人パワーを発揮できるかというと、消化器系が弱い僕などはたちどころに胃もたれして、あげくの果ては下痢ピーだろう。
 ときどき、長生きしている人の健康法などが話題になるが、はっきりいってまったく参考にならない。そもそも人間は、一人ひとり生まれたときから差があるのである。胎児のときの環境もさることながら、親から引き継いだ遺伝子が大きく影響する。
 わしは毎日おちょこ一杯の養命酒を飲んで100歳まで生きてきた、といわれても、下戸は逆立ちしてもマネできない。
 まあ、スタートラインがちがうということだが、それを嘆いてもしかたがない。早めに、自分に合った健康法を見つけるしかない。
 健康なら、とりあえず諸問題に対処できそうである。(^_^;)
(photo:上海、浦東新区)