パーティの効用

 先日我が家でパーティをした。招いた客の国籍は、ルーマニア人、オーストリア人、タイ人、そして日本人、と多国籍だった。
 うちは長男の家、いわゆる「本家」なので、親戚筋が集まるパーティはときどき催していたが、他人を呼ぶとなると掃除や片付けをしなければならず、いくらパーティが好きでもそっちがおっくうでついつい敬遠していた。
 親戚相手なら汚くても見苦しくてもいい、というわけでもないが、まあ相変わらずね、で見逃してもらっているのである。
 それでなぜやる気になったかというと、パーティをこよなく愛する同僚日本語教師のひとことがきっかけであった。「あら、汚くてもいいじゃない」……と。
 しかし即座に同意するわけにはいかなかった。彼女の家はいつも掃除がいきととどいていて、「汚い」のレベルがちがうのにちがひない。だまされてはいけない危ないあぶないと、とっさに思ったのだ。でもこれは、たまには整理整頓しろ、という天の啓示かもしれない、と気がついたのである。
 まあ、やるなら付き合いのある外国人にできるだけ来てもらおうと思って、結局うちの家族も入れて総勢17人の大飲食会となった。
 料理をがんばるつもりもなかったが、せめて日本の家庭のふんいきを味わってもらおうと、メインは「手巻き寿司」にした。準備した寿司の種には当然納豆がある。
 じつはたいがいの在日外国人が疑問に思っていることがある。日本人はどうして「あなたは納豆が食べられる?」と聞くのですか?……と。
 ある外国人にそういわれるまで、僕も彼らに聞いていたかもしれない。外国人にしてみれば、納豆はなにも日本食のメインでもあるまいし……という思いだろう。
 つまり「日本通」かどうか、無意識のうちにためしていたのかもしれない。ーーちょっと反省。
 中国で生活していたときも、むこうの料理や食品に個性的なものがたくさんあったが、とくにそんなふうに聞かれたことはなかった。しかし中国はありすぎるからなぁ……。
 パーティの後片付けをすると、部屋がずいぶん広く感じた。また物を置かないうちにまたパーティをしようか、と思った。(^^ゞ
(photo:フィンランドの湖沼にて)