はかいかんけどぼちぼちと…

 所用があって東京に行ってきた。ちょうどゴールデンウィークだったので、行き帰りの電車は混んでいた。
 軽症の「鉄ちゃん」なので鉄道は好きだし、車窓から外をぼんやりながめるのも楽しみのひとつである。東京までは4時間ぐらいの旅だから、外を見たり本を読んだりしているうちに着いてします。
 でも近年は、日本全国どこへ行っても風景が画一的である。とくに都市部がつまらない。どこの町を通っているのか、手がかりになる看板でもみつけない限りわからない。
 最近は、トシとってきて親近感をおぼえるわけではけっしてないが、「墓」がよく目につくようになった。
 というのは、ときどき外国人日本語学習者とそういう話題になると、きまって「日本の墓はどうしてあんな形なのですか」、と聞かれたりするからかもしれない。
 せまい国土に、ほんとうに墓地が多い。死者をないがしろにするつもりはないが、全国の墓地の面積を合計すると、おそらく東京ドーム◯◯倍ぐらいになるだろう。
 しかし、「東京ドーム」を基準とするあの換算法は、僕のような田舎者にはまったく見当がつかない。
 まあそれはどうでもよく、かように墓地が多い、と感じるわけであります。
 いったい今後どうなるのだろうか。この問題はぼちぼち誰かが考えないと、日本全国無縁仏だらけになってしまうだろう。
 墓地は日本の風景なので、いちいち目につく僕は異常なのかもしれないが、外国人の目にはやはり異常(あるいは異様)にうつるらしい。
 日本語教師は、日本語を外国語としてとらえる訓練が必要とされている。そういう目で接していると、文化まで客観視してしまうこともある。それを喜んでいいのかどうかわからないが、外国人は刺激をあたえてくれるありがたい存在である。
 墓の形もともかく、この問題は宗教や死生観にかかわることなので、日本語が稚拙な外国人と意見を交換することはなかなかむずかしい。
 そうやっちゃちとはかいかんわ。(^_^;
(photo:電車で行ったけど、なぜか羽田)