面目躍如

 一介の小市民がこのような欄で、偉そうに正義感ぶったり正論を吐いたりするのもいかがかと常日頃から思っているのだが、ときどきはどうしても一言いいたくなるのを押さえきれなくなるのである。
 とはいえもはや、書くタイミングがおくれてしまって、いささか旧聞に属する話しかもしれない。
 例のボストンのテロ事件のことであるーー。
 大きな事件だったことはまちがいない。とくに、亡くなった方たちはまことに気の毒である。「テロ事件」として日本でもセンセーショナルに報道されたことも納得できる。
 しかし、日本のマスコミの過熱報道には、ほとんど閉口してしまった。某国営放送などは、事件から4日後の9時のニュースでも、冒頭から20分を越える破格のあつかいであった。
 ーーいつもながら、見事な属国ぶりである。「宗主国」に発生した一大事、国内のケチな事故や事件はどうでもいい。……とばかりの騒ぎぶりである。
 もちろん、事件の性質上看過できないが、基本的には他国で起こった事件であり、日本人もあまり関係していない。
 しかもステレオタイプと偏見に満ちたあの国は、最初からイスラム過激派の犯行と決めつけ、どうしてもその方向にむすびつけようと最大限の努力をしていたようである。
 それを逐一、「属国」我が国が報道するのである。そんな熱意と執念は、もっとべつのところで発揮してほしい。
 だいたい我が「宗主国」は、最近では僕たちの巨大な隣人にご執心である。つまりこのごろは、あまり相手にしてくれず冷たいのである。彼らからすれば、いつでもいうことを聞いてくれる「都合のいい◯◯」状態のあつかいなのである。
 冷たく袖にされても笑顔でまたすり寄っていく。いじらしいではないか。でも、こういうのを「うざい」というのかもしれないな。
 追えば逃げ、逃げれば追われる。ーー世の常である。
 いかが「宗主国」とはいえ、もう少しバリエーションを持って対応してはいかがか、と思う今日このごろである。……なんだか話しがそれた。(*_*)
(photo:牡丹が満開。庭にて)