豆たちの日光浴

 大豆の収穫をした。家庭菜園の小規模農園だから、もちろん無農薬栽培である。
 2週間ほど前に、20mほどの畝2列に栽培した大豆を刈り取った。といっても手作業だから、園芸用のハサミで枝を切り取っていったので、ずいぶん手間がかかった。
 それを納屋にひろげてしばらく乾燥させた。今日は湿度も低く朝から晴天だったので、玄関先にブルーシートをひろげて日にあてた。
 まだ開いていないサヤが日をあびて、パキンパキンとはじける。サヤのなかにじっとしていた大豆が勢いよく飛び出す。
 枯れて乾燥してこげ茶色になっている枝が、そのときだけガサっと動く。飛んだ豆がどこかに落ちて、またガサっと枝たちをゆらす。
 虫や小さな動物でもいるのか、と思って目をこらすが、また大豆の枝たちは静かになった。
 半日ほど干したあと、いよいよ収穫である。刀のようにカーブした木の棒で枝をたたくのである。あまり力を入れなくてもいいが、まんべんなく打たないと、豆をサヤに残してしまう。
 まあ、根気がいる仕事である。しかし、年季が入っていないので、すぐさま母に小言をいわれてしまう。
 そうやって住み家から追い出した大豆を、枝やサヤの小さな残骸といっしょに集める。
 今度は粗い目のふるいにかけて、荒い「ゴミ」を取りのぞく。それをまた大豆より少し小さい目のふるいにかけて「ゴミ」を取る。今年は豆の粒が例年より小さくて、ふるいからどんどん豆が落ちる。
 どうしても残ってしまうのが、大豆と同じくらいの大きさの「ゴミ」である。軽いものは「人力ふいご」で飛ばす。箕(み)を使ってやるその作業は、やはり母のテクニックにはかなわない。
 収穫量は「やや不良」といったところだろうか。でも、米袋に入れた大豆はずっしり重い。このなかから、さらに不良な豆を選別する。正月明けの仕事だ。
 そして、寒中に味噌を仕込む。そう、今年の豆たちの性格がわかるのは、来年の秋なのである。(^-^)
(photo:おだやかな夕暮れ)