7.16 代々木集結

 手元の温度計がついに42度を差した。炎天下の日向なのでかなり暑いだろうな、と思っていたがまさか40度を超すとは。ときおり通る風が、わずかな救いではあったが。
 16日、東京代々木公園。どこからこれほどの人が集まってくるのか。メイン会場の広いスペースは、またたく間に人で埋まっていった。
 「さよなら原発10万人集会」。鎌田慧坂本龍一落合恵子などたくさんの著名人が呼びかけ人、あるいは賛同人となって継続してきた脱原発運動のひとつのピークである。
 沖縄を除けば、安保闘争以来といわれる大規模な集会とデモ。それがどれほどのものなのか、という興味と、もしかして歴史の転換点になるかもしれないその現場に参加したい、という野次馬的好奇心を抑えきれず、ヒートアイランドの東京へ向かった。もちろん趣旨に異存はない。
 サラリーマン時代には労組の関係で集会やデモに参加したこともたくさんあるが、個人の資格で参加するのは久しぶりである。
 今回は、いわゆる「動員」で集まってきた人たちのほかに、僕のような個人の意思でやってきた人がとても多い。小さな子どもを連れた家族、若者、そして老人。この人たちはけっして「動員」ではない。
 とくにこの炎天下、老人には厳しい環境である。それでもやってくるこの年老いた人たちは、おそらく、時代をつくってきた責任と子や孫の未来を考えてやむにやまれず腰を上げたのだろう。
 上空には取材のヘリが4台5台と増え、ときおり舞台の声が聞きとれなくなるほどの騒音である。
 デモは3方向に設定されていた。僕は、原宿から表参道を歩いて神宮の明治公園までのコースに参加した。
 これもいったいどのくらいの人の列なのだろうか。手づくりのプラカード、のぼり、うちわなどを手に、ときおり声をそろえ、あるいは思いおもいに声をあげながら行進した。
 けっして体力的に楽ではなかった今日の集会とデモだが、人々は秩序をまもり、過剰に激することなく、しなやかに行動していた。
 そして、何よりもその表情が明るかったのが印象的だった。(^-^)
(photo:表参道の車道を歩く)