デモと行列

 およそ行列というものが嫌いである。
 ラーメン屋にはけっして並ばない。家族が好きだとはいえ、できればねんりん家にも並びたくない。駅のホームもさけたい。テーマパークのアトラクションなど論外である。
 しかし、意に反して中国ではけっこう並んだ。あの国ではしかたがない。並ばないと解決しないこともある。
 並んでも解決しないこともあった。郵便局の窓口に並んでいたら、突然クローズしてしまった。もちろん “フォーク並び” などというシャレたことはしていない。列車の切符の窓口でも一度そんな目に遭った。
 日本では並ばないでも生きていける。それは中国よりありがたい。
 では、どうして並ぶという行為が嫌いなのだろうか。並ぶ必要のない他人から見て、自分がやろうとしている行為がミエミエなのがいやなのだろうな、たぶん。本にカバーをかけて読むのと似ているかもしれないな。
 もうひとつの理由は、僕の場合、根気がないということなのだが、もしかして状況によるのかもしれない。
 ここに並んだ先着100名の方は、シャラポワさんとハグできますよ、といわれれば並ぶかもしれない。でも、やっぱり恥ずかしいな。――おことわり……シャラポワさんは、たとえばの例です。とくべつな選択ではありません。
 さて、行列といえば、また週末がめぐってきた。デモは行列とはまったくちがうが、やはりその行為がミエミエである。
 注目度が高いから、参加するにはちょっと勇気がいる。勤め先の会社や役所に知れるとマズいかもしれないし、ひょっとしてテレビに写るかもしれない。でも、大メディアは無視する気だから大丈夫だろう。
 再稼働反対デモ。今日の首相官邸周辺はどうなっていたのだろうか。この官邸の主にとって、人々の声は今日もやっぱり “音” だったのだろうか。(-.-#)
(photo:上海、田子坊にて)