旅先の人あれこれ

 夏のヨーロッパを歩いていると薄着の人たちが目立つ。暑さには若干耐性がある僕たちに対して、寒冷地の人々はそれでも暑いのだろう。
 肌の露出部分が多いと目につくのが刺青(タトゥー)である。本物なのか、いずれ消えるペイントなのかよくわからないが、とにかくタトゥー率がとても高い。ファッションのひとつのような感覚なのだろうか。
 もちろん日本の「からくりもんもん」のようなものではなく、アクセサリー的ないわば記号のようなものがほとんどだが、いずれにしても関西の某市職員には採用されない人たちがたくさんいるのである。
 ついでにいえば、スキンヘッドの方々もたくさん見かけた。こちらは男性限定ではある。だいたい、髪がさみしくなってきた人たちが、潔く地肌で勝負に出たような感じではある。
 彼の国々ではそれが珍しいことではないのかもしれないが、他人ごとではない僕としてはついつい気になってしまった。
 まあ、黒っぽいスーツでサングラスなどかけておられると、なかなかの迫力ではあります。しかし、僕などがマネしたところで、ちょろちょろの体型ではまったく様にならない。
 プラハでは一度街頭で、お揃いの白いコスチュームをまとって、打楽器を中心としたパフォーマンスを演じている10人ぐらいのグループを見かけた。白人の若者がほとんどだったが、皆スキンヘッドだった。
 パフォーマンスの内容よりも、集団のその異様さが不気味ではあった。なにせアンダーグラウンドでは「ネオナチ」が息づいているヨーロッパである。危うきに近寄らずである。
 しかし、チャイナパワーに押されて影がうすいとはいえ、日本人の団体ツアーはあちこちで健在である。もちろん中高年の方々がほとんどだが。
 ヘルシンキからの帰りの便では、そんなツアーを率いる若い添乗員の疲れはてた表情が印象的だった。おそらく劣悪な条件で業務についていることだろう。
 ツアー客とさほど変わらない後期中年者として、今の日本の若者がおかれている厳しい状況を思うと、ちくと心が痛む。(-_^:)
(photo:タンペレ駅にて)