奥深き歴史の町
植物系のナチュラルグッズの店をのぞくと、いきなり中国語が飛び込んできた。通りはいたって静かだったのだが、せまい店内は中国人でごった返していた。
富裕層のトレンドなのだろうか。それにしても、ここはほんとうにプラハか、と思うほど中国パワーが炸裂していた。店には中国語が堪能なスタッフも常駐している。
しかし、その騒音とどん欲な購買力にあぜんとし、レジの列を見て呆然とし、ほうほうの体で逃げ出した。ひと昔まえの、ひんしゅく成金日本人を思い浮かべる。
さて、少しチェコのことを勉強をしてみる。
現在はEUの一員として、しかしイギリスのようにユーロは導入せず、まずは独立した国家として支障なく歩んでいるようだ。
年配者の記憶に残っているところでは体操のベラ・チャスラフスカ、少し若くなってテニスのマルチナ・ナブラチロワ、イワン・レンドル、ヤナ・ノボトナなどが、近年日本では有名である。
古くは、スメタナ、ドボルザーク、カフカなども知られるところである。
政治情勢では、第二次大戦後のチェコスロバキアとしての社会主義国家。そして、ヴァーツラフ・ハベルなどが主導した「プラハの春」を経て、ソ連崩壊後の無血「ビロード革命」が有名である。
いずれにしても長い歴史を持つプラハの町は、その遺産を十分に活用した美しい町といえる。そしてまた、ツーリストの受け入れ体勢が充実しているのも強みであろう。
しかし美しい町の、吸い殻だらけの道はどうにかならんのか。犬のフンはお持ち帰りしないのか。社会主義国家のなごりなのか。それになぁ、接客商売の一部の人々の愛想悪さもどうにかならんのか。昔のなごりなのか。
そんなことを思いつつも、うまいビールを飲めばすべて忘れてしまうような、変幻自在プラハの町はやはり奥が深いのである。
——またプラハにもどってきた。(^^ゞ
(photo:プラハの街にて)