ドリンクの誤算

 詐欺に引っかかるなんて、世の中まったくドジな人もいるもんだ、と思っている人ほど危ないといわれている。
 師走のある日、ウコンドリンクを20本買ってしまった。
 10本買うと10本サービスします、と、販売員はいう。えっ? 半額やんけ。と、瞬時に思考回路が反応して、気がついたらドリンク20本小脇にかかえていたのである。
 訪問販売だった。といっても、飛び込みセールスではない。家庭配置薬の定期訪問、品入れ替えである。いわゆる「富山のくすり」である。お袋が重宝しているので、なかなかやめられないのだ。
 たまたま応対に出た僕に、セールスのオッサンはさりげなくドリンクの話しをはじめた。もちろんドリンクは家庭配置ではなく、オプション販売である。
 つまり、オッサンの強烈なポマードの臭いに閉口しながらうなずいていたら、そのような結果になったのである。
 思えば、ウコンドリンクにとくべつ愛着があったわけでもなかった。ドリンク系には、ファイト一発を期待して手を出すということもなかった。
 でも飲み会の前に、ときどき気休め程度にウコンドリンクを飲んだことはあった。効果のほどははっきり自覚していないが、翌朝はすっきりしていた(ような)気がする。
 そこに油断があったのだろう。まあこれじゃあ、オレオレ詐欺被害者の資格十分かもしれないナ。
 連れ合いにバカにされながら、年末、正月とせっせと飲んだ。効果のほどははっきり自覚していないが、翌朝はすっきりしていた(ような)気がする。
 この手の栄養ドリンクの効果はよくわからない。なかには、ただちに身体に影響はないが、摂取をつづけると身体をこわすものもあるので怖い。
 同様に、サプリメントなどは、ただちに効果が認められない場合がほとんどらしく、効いているのかいないのかわからない。服用をつづけると効果が出るのかもしれないが、それはそれでメーカーの思うつぼだろう。
 しかし、それらの効用よりも、製造過程で混入される添加物のほうが恐ろしいような気もする。
 では、ファイト一発! で、これから飲み会に行ってきます。 (^。^)
(photo:金沢の猫)