聖なる夜/上海
このブログをはじめてから、これほどの期間、更新をさぼってしまったのは初めてかもしれない。ちょっと忙しかった、というのがいい訳なのだが、じつは、上海へ行っていたのである。
仕事でしかたなく、あるいは使命をおびてやむをえず、などという上等な理由は、ないのだ。まあ平たくいえば、遊びに行ったのである。
ちょうど日本へやって来る寒波から、逃げるようなタイミングであった。向こうは、連日快晴のいい天気だったが、冬の寒さはやはり大陸のそれである。ぞわぞわっと、地面からはい上がってってくるような寒さ、とでもいおうか。
そして、あまり気にもとめなかったが、今回は偶然にもクリスマスを上海で過ごすようなスケジュールになった。
とはいっても、まだしもキリスト教徒なら美しいシチュエーションだろうが、宗教に帰依する気持ちなどほとんど持ちあわせていない日本人中年カップル2組のクリスマスなど、サンタクロースが痰を吐いてそばを通りすぎてしまうのがオチだろう。
偶像崇拝が一応禁止されている彼の国でも、今やクリスマスの巨大なデコレーションが、街のあちこちで幅をきかせている。
通りは、身を寄せ合う若いカップルで埋め尽くされ、その中にまじって、手にケーキの箱を提げて家路を急ぐ(と思われる)男の姿もちらほら見かける。みんな、それでいいのか?いったい建国の精神はどうなったのだ。
しかし、クリスマスでなくとも通りにはいつもカップルがあふれているので、今さらおどろくこともない、ということにすぐ気がついたのだが。
かように “赤い資本主義” は、国の発展とともにどんどん隆盛を極め、人々は西洋文化を許容・吸収し、あるいは蚕食されていくようにみえる。
うかつにも、お日柄を考慮せず晩飯を食べに出かけた我ら中年隊は、そこここで厚い人民の壁に遭遇してしまった。
つまり、レストランの順番待ち。それも、今さらながら巨大な国の人並みとパワーに圧倒されながら。(^_^;
(photo:聖なる夜)