年末あれこれ

 モスクワに遠征したナポレオンが、敵と戦うまえに、ロシアの冬の寒さや雪にやられて撤退した話しは有名である。
 「冬将軍」の語源ともなった逸話であるが、いよいよそのロシアからシベリア寒気団が頻繁にやってくる季節になった。
 年々寒気団が苦手になってきた。青年団や合唱団ならとくべつ問題はないが、氷点下の連中はあまり好きではない。
 かといって、夏場にやってくる太平洋高気圧という、やたら熱い連中ともウマが合わないのだ。つまりトシをとったということなのだろうが、ほんとうに体力というものはつるべ落としである。
 これでも40代までは、冬になればときどきスキーに出かけたり、野山で自然観察をしたりしていたのに、いったいどこで暗転してしまったのだろうか。
 このままでは、冬はどこか南洋に疎開し、夏になれば北方か高地へ逃げなければなるまい。ハワイとかカナダとか、タヒチとかスイスとかヒマラヤとか。おお、軽井沢とか沖縄とか、そういう選択肢もあるなぁ、はは……。
 ーー閑話休題
 じつは、すでに年賀状を書いて投函してしまった。クリスマス前に年末の義務を果たしてしまったのは、何年ぶりだろうか。便秘が解消したような爽快さだ。
 年賀状というのは、正月を迎えるための、仕組まれた通過儀礼のようである。グルである郵便局の方針に反して、何度やめようと思ったことか。
 しかし長男として、そんなことをすると各方面から非難が集中することが予想され、その問題の大きさを考えると、やはり先送りせざるをえないのである。今年もまた、執行猶予一年である。
 そういえば、あの将軍様が亡くなってしまった。世襲政権の執行猶予はあるのだろうか。あの国の人々もいまごろは寒い思いをしているだろうな、とふと思う。(+_;)
(photo:秋の名残。金沢市内にて)