流行語とは何だろう
今年の流行語大賞は「なでしこジャパン」だそうである。
納得してもいいのだが、なにかひっかかるなぁ。もちろん「なでしこジャパン」そのものに異議を申し立てるわけではないのだが。
ちなみにトップテンをみてみると、「絆」「スマホ」「どじょう内閣」「どや顔」とある。……なるほどなぁ。
しかし、「こだまでしょうか」とか「ラブ注入」は知らないなぁ。中国まで聞こえてこなかったからかなぁ。
「どや顔」ーー子どもならかわいいんだけどね。「どじょう内閣」ーー蒲焼きにしてもおいしくなさそうだ。
さらには、「3.11」「風評被害」ーーふに落ちないものの正体はこのへんにありそうである。
未曾有の大震災に、取り返しのつかない原発事故。ここから世に出てきたことばがたくさんある。
たとえば、「ただちに人体に影響はない」「ホットスポット」「計画停電」……などなど、ちょっと偏向ぎみかもしれないが、その調子でいえば、「ラブ注入」より「海水注入」だろう。
おそらく、いくら流行したことばでも、暗い世相を象徴するようなものを前面に出すのはいかがなものか、と審査員の方々も考えたのかもしれない。
しかし、「3.11」と「風評被害」では、“ありえない” 大惨事がかくれてしまう。
それから、また「なでしこジャパン」にケチをつけるつもりは毛頭ないが、固有名詞は大賞にふさわしくないのではないか、と思う。
固有名詞がほかの意味を兼ねるのならおもしろいが、一般的にはことばとしての汎用性が低いような気がする。ちょっとニュアンスはちがうが、「家政婦のミタ」には拍手である。
ところで、去年の大賞は何だっただろう? 調べてみると「ゲゲゲの〜」である。ちなみにおととしは、「政権交代」だった。
もう忘れちゃったね。さすがに流行語である。(^^)
(photo:あのときは空腹だった。京都にて)