来し方行く末

 ぼ〜っとしていたら12月になった。帰国して早くも一ヶ月が過ぎてしまった。
 このままぼ〜っとしていたらすぐ正月がやって来そうである。引きつづき来年もぼ〜っとしていたらどうなるのか、最近自分の姿がぼ〜っとなりはじめた。
 それで、本業の編集や本作りの仕事にもどったわけだが、家庭内事務所の電話はプルとも鳴らない。当然ながら、帰ってくるのを待っていました、なんていう人はまずいない。
 ぼ〜っと飯ばかり食っていたら、米びつの底が見えてきた。このぶんじゃ、稗粟を食べるはめになってしまう。でも、今日びは稗粟のほうが高価かもしれない。
 新しい本を作ろうとは思うが、本は “足が長い” ので現金収入を得るまで時間がかかる。ときどき、収入に結びつくところまでいかない場合もあるので、米びつはいつも軽い。
 おまえのこのブログを本にすればどう? と助言してくださる方もおられるのだが、アンタッチャブルなこんな駄文など誰も本にしてはくれまい。
 自分で出したらどう? と、さらに具体的なアドバイスをいただくわけだが、誰が買うのか? と、考えるとその答えは自分がいちばんよく知っている。
 それはさておき、ならばということで知人に身のふりかたを相談すると、とても現実的な具体案を提示してくれた。道路工事の交通整理、もしくは、夜間の警備員ならおまえのトシでもあるんじゃないか、と。
 ま、それはいわゆる、つぶしがきかない、っていうんだろうな。しかし、提案されたそれらの仕事だって、ぼ〜っとしている僕には勤まらないかもしれない。ずいぶん情けないが。
 なら、ここは一発カジノで……と、さる会社の同族役員のようなこともふと脳裏にうかぶが、元手がないうえに、マカオまで出かけなきゃいけないし、血走った目でギャンブルに手を染めれば、丸裸にされて東シナ海にポイというのがオチだろう。
 ここは、フンドシを締めなおして……というか、フンドシは不便なのでやめておくが、せめてパンツをしゃきっと引き上げて、マヤが世界の破滅を暗示する来るべき2012年に立ち向かおうと思う。はぁ。(^_^;
 (photo:冬の天気はめまぐるしい。つかの間の晴れ。金沢にて)