さびついたアンテナ

 上海ではCCTVのニュースをたまに見ていたが、帰国してからはほとんどテレビを見なくなった。
 新聞も先月から一紙だけの購読にした。家計が逼迫してきた、という理由もあるが、あの Morning Sun 新聞には愛想がつきたのである。
 付き合い出してやがて30年になろうとしていたのだが、原発報道関連ではまるで腰抜けだ、ということがはっきりしたからである。
 もともと、新聞を中立性の高いメディアだとは思っていなかった。それぞれ主義主張があって当然である。ところが新聞は、多くの読者を獲得すべく不偏不党のフリをするーー。
 おっ、今日はテレビタレントの話しをするのだった。
 もともと、その手の芸能人情報にはうとかったが、最近ほんとうにわからなくなった。はっきりいってうちのお袋のほうが、タレントの動向に数段くわしい。
 たとえばついこの前まで、AKB48というのはどこかのファッションビルの名前、あるいは、通りの名前かと思っていた。
 若者とあまり接点がないので、最新の芸能情報を知らなくてもあまり困ることはないさ……と思ったけれど、困ることがあったのだった。
 日本語学校で困った。学生のほうがくわしかった。僕は日本人だから、最初のころこそは当然そのへんの事情にも精通しているだろう、と彼らに思われていたが、正体が知れると相手にされなくなった。
 身から出たさびとはいえ、やはり多少はキズつくものである。
 ところが、同年代の同僚の先生は、中国生活が長いにもかかわらずそのへんめっぽうくわしく、若者たちに人気を博していた。くやしい。
 僕はあの先生におそわった、日本語教師としての心構えを。もちろん情報はテレビからだけではないが。
 以来、若者の目線に合わせて、アンテナを張り情報収集につとめているのだが、アンテナを出す方向が悪かったり、よく見るとアンテナがさびついていたりして、やっぱりうまくいかないのである。(;O;)
(photo:これは何でしょう?)